Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
Cisco Global Cloud Index: 予測と方法論、2015 ∼ 2020 年
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Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
概要 Cisco® Global Cloud Index(GCI)は、世界のデータセンター トラフィックおよびクラウド ベースの IP トラフィックの増加を予測する継続的な取り組みです。データセンターの仮 想化やクラウド コンピューティングに関連した傾向などを予測します。本書では、調査の 詳細やその方法について説明します。 予測の概要 ハイパースケール データセンター
• ハイパースケール データセンターの数は、2015 年 末の 259 から 2020 年までに 485 に増加する見込 みです。 これは、2020 年までにデータセンター サー バ総数の 47 % を占めると見られます。 • ハイパースケール データセンター内のトラフィック は、2020 年までに 5 倍になる見込みです。ハイパー スケール データセンターはすでに、すべてのデータ センター内のトラフィック全体の 34 % を占めてお り、2020 年までには 53 % を占めると見られます。
世界のデータセンター トラフィック
• 世界のデータセンターの IP トラフィックは、2015 年 の年間 4.7 ゼタバイト (ZB) (1 ヵ月あたり 390 エク サバイト (EB))から、2020 年末までに年間 15.3 ZB (1 ヵ月あたり 1.3 ZB)に増加する見込みです。 • 世界のデータセンターの IP トラフィックは、今後 5 年間で 3 倍に増加する見込みです。2015 ∼ 2020 年にかけてのデータセンターの IP トラフィックの年 平均増加率(CAGR)は 27 % と予測されます。
データセンター仮想化とクラウド コンピューティン グの拡大
• 2020 年までに、 ワークロードのうちクラウド データ センターによって処理される割合が 92 %、従来の データセンターによって処理される割合が 8 % にな る見込みです。 • データセンターのワークロードについては、2015 年 から 2020 年までに全体として 2 倍を超える (2.6 倍) 増加が見込まれますが、 クラウド ワークロードの増 加率は 3 倍を超える (3.2 倍) と考えられます。 • クラウド データセンターのワークロードの密度(すな わち、物理サーバあたりのワークロード)は、2015 年 には 7.3 でしたが、2020 年までに 11.9 に増加し ます。 これに対し、従来のデータセンターでは、 ワーク ロードの密度は 2015 年の 2.2 から 2020 年には 3.5 に増加します。
パブリック クラウドとプライベート クラウドの比較
• クラウドのワークロードのうちパブリック クラウド データセンターで処理される割合は、2015 年の 49 % から 2020 年には 68 % に上昇する見込みで あり、2015 年から 2020 年にかけての CAGR は 35 % となります。 • クラウドのワークロードのうちプライベート クラウド データセンターで処理される割合は、2015 年の 51 % から 2020 年には 32 % に低下する見込みで あり、2015 年から 2020 年にかけての CAGR は 15 % となります。 © 2016 Cisco and/or its affiliates. All rights reserved.
世界のクラウド トラフィック
• 世界のクラウドの IP トラフィックは、 2015 年の年間 3.9 ZB (1 ヵ月あたり 321 EB) から、 2020 年までに年間 14.1 ZB (1 ヵ月あたり 1.2 ZB) に増加する見込みです。 • 世界のクラウドの IP トラフィックは、今後 5 年間で 4 倍近く (3.7 倍)増加すると見られます。2015 ∼ 2020 年にかけてクラウドの IP トラフィックは、全体 として CAGR が 30 % 増加すると予測されます。 • 世界のクラウドの IP トラフィックは、2020 年には全 データ センター トラフィックの 92 % 超を占めると 見られます。
クラウド サービス提供モデル
• Software as a Service (SaaS) のワークロードがクラウド のワークロード全体に占める割合は、 2015 年の 65 % から 2020 年には 74 % に上昇する見込みです。 • Infrastructure as a Service (IaaS) のワークロードがク ラウドのワークロード全体に占める割合は、 2015 年の 26 % から 2020 年には 17 % に低下する見込みです。 • Platform as a Service(PaaS)のワークロードがクラ ウドのワークロード全体に占める割合は、2015 年の 9 % から 2020 年には 8 % に低下する見込みです。
アプリケーション別ワークロード
• 企業のワークロードがデータセンターのワークロード 全体に占める割合は、2015 年の 79 % から 2020年 には 72 % に低下する見込みです。 • データセンターのワークロード全体のうちコンシュー マのワークロードが占める割合は、2015 年の 21 % から 2020 年には 28 % に上昇する見込みです。 • 企業セグメントでは、 ワークロード全体のうち大きな 割合を占めるのが、 コンピューティング(2020 年まで に企業のワークロードに占める割合は 29 %) とコラ ボ レーション(2020 年までに企業のワークロードに占 める割合は 24 %)の 2 つです。 • コンシューマ セグメントでは、 ワークロード全体の うち大きな割合を占めるのが、ビデオ ストリーミング (2020 年までにコンシューマのワークロードに占め る割合は 34 %) とソーシャル ネットワーキング (2020 年までにコンシューマのワークロードに占め る割合は 24 %)の 2 つです。 • 企業セグメントの中で最も急速に成長するアプリ ケーションは、データベース/分析および IoT と予測さ れ、2015 ∼ 2020 年にかけての CAGR は 22 % で、2.7 倍の成長となります。
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• コンシューマ セグメントの中で最も急速に成長す るアプリケーションは、 ソーシャル ネットワーキング (2015 ∼ 2020 年にかけての CAGR は 33 %) と ビデオ ストリーミング(2015 ∼ 2020 年にかけての CAGR は 32 %) と予測されます。
データ センター ストレージ
• データセンターのストレージ容量は、2015 年の 382 EB から 2020 年には約 5 倍の 1.8 ZB に増加 する見込みです。 • クラウド データセンターに設置されているデータ ス トレージの総容量が世界全体のデータセンターの総 ストレージ容量に占める割合は、2015 年の 64.9 % から 2020 年には 88 % に上昇する見込みです。
データセンターのデータ、 ビッグデータ、IoE
• 世界全体で、データセンターに保存されているデー タは 2020 年までに 5 倍に増加し、2015 年の 171 EB から 2020 年には 5.3 倍の 915 EB に達す る見込みです(CAGR は 40 % となります)。 • ビッグデータは、2015 年の 25 EB から 2020 年に はその約 10 倍の 247 EB に増加すると予想されま す。データセンターに保存されているデータのうち ビッグデータ単独で占める割合は、2015 年の 15 % から 2020 年には 27 % に上昇する見込みです。 • デバイスに保存されているデータは、2020 年まで に、データセンターに保存されているデータの 5 倍 である 5.3 ZB に達する見込みです。 • Internet of Things の影響により、デバイスにより作 成される (ただし保存されるとは限らない)データ の総量は、2015 年の年間 145 ZB から 2020 年に は年間 600 ZB に増加する見込みです。作成される データは、保存されるデータより 2 桁以上多くなって います。
コンシューマ クラウド ストレージ
• コンシューマ インターネット利用者のうちパーソナ ル クラウド ストレージを使用する割合は、2015 年 の 47 %(13 億人)から 2020 年には 59 %(23 億 人) まで上昇する見込みです。 • 世界全体で、ユーザ 1 人あたりのコンシューマ クラ ウド ストレージ トラフィックは、2015 年の 1 ヵ月あ たり 513 メガバイトから 2020 年には 1.7 ギガバイ トに達すると予測されます。
複数デバイスの所有および複数接続の利用
• 2015 年の 1 ユーザあたりの平均デバイス数または 平均接続数は、北米(7.3)、次いで西ヨーロッパ(5.5) が最も多く、続いて中東およびアフリカ(5.4)、中南米 (4.7)、中央および東ヨーロッパ(4.5)、 アジア太平洋 (4.5) となっています。 • 2020 年までには 1 ユーザあたりの平均デバイ ス数または平均接続数は、北米(13.6)、次いで西 ヨーロッパ(9.9)が最も多く、続いて中央および東 ヨーロッパ(6.2)、中南米(5.2)、中東およびアフリカ (5.0) 、 アジア太平洋(5.0) となる見込みです。
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クラウドへの地域別対応状況 ネットワーク速度および遅延
• 固定ネットワークの平均ダウンロード速度は、 アジア 太平洋が 33.9 Mbps で首位に立っています。次い で、北米が 32.9 Mbps という平均ダウンロード速度 で第 2 位となっています。固定ネットワークの平均 アップロード速度は、中央および東ヨーロッパと、 ここ でもアジア太平洋が、それぞれ 19.3 Mbps と 19.0 Mbps で首位に立っています。 • 固定ネットワークの平均遅延は、 アジア太平洋が 26 ms で全地域において最も低く、次いで中央およ び東ヨーロッパの 30 ms となっています。 • モバイル ネットワークの平均ダウンロード速度は、 アジア太平洋が 18.5 Mbps で首位に立っています。 それに続くのが西ヨーロッパの 18.2 Mbps です。固 定ネットワークの平均アップロード速度は、北米とア ジア太平洋がそれぞれ 9.9 Mbps と 8.9 Mbps で リードしています。 • モバイル ネットワークの平均遅延は、西ヨーロッパ 57 ms、 アジア太平洋が 73 ms で最も低くなってい ます。
データセンターおよびクラウド ネットワーキングに おける上位 7 つの傾向 電気通信業界では、新しい技術から広く普及し導入さ れている確立されたネットワーキング ソリューションに 至るまで、 ここ数年間でクラウドの採用という点で大き な進化が見られました。企業や政府組織は、 これまで試 験環境にあった業務上不可欠なワークロードを積極的 にクラウドへと移行し始めています。 コンシューマ レベ ルでは、 クラウド サービスによって、ネットワーク ユー ザがどこにいても、複数のデバイスを使用してコンテン ツやサービスにアクセスできる場合が多くなりました。 データセンターおよびクラウド ネットワーキングにお いてトラフィックの増加を促進し、エンドユーザ エクス ペリエンスに変化をもたらし、データセンターやクラウ ドベースのインフラストラクチャに対する新たな要件 や需要を生み出している 7 つの重要な傾向について 以下の各セクションにて、説明します。 1. 世界的なデータセンター関連ビジネスの成長とトラ フィックの増加 - ハイパースケール データセンターの成長 - 世界のデータセンター IP トラフィック:2020 年ま でに 3 倍に増加 - データセンター トラフィックの宛先:多くのトラ フィックはデータセンター内に留まる - 全世界のデータセンターおよびクラウドの IP トラ フィックの増加率 - データセンター アーキテクチャの進化:SDN/NFV 2. 継続する世界中のデータセンターの仮想化 - パブリック クラウドとプライベート クラウドの比較
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3. クラウド サービスの傾向 4. アプリケーション別ワークロード 5. データセンターおよびクラウドのストレージ:容量と使 用率 6. 世界的なデジタル化:IoE の影響 - 世界のデータセンターに対する IoE の潜在的な 影響 - M2M データ分析要件によるフォグ/クラウド コン ピューティングの促進 7. 世界のクラウドへの対応準備状況 - セキュリティ:クラウドの成長における必須条件 - ネットワークの速度および遅延の分析
傾向その 1:世界的なデータセンターの関連性とト ラフィックの増加 サーバ クローゼットから大規模ハイパースケール導入 に至るまで、 データセンターは一般に、増え続けるネッ トワーク デバイスやユーザ、ビジネス プロセスに対し て IT サービス、 ストレージ、通信、ネットワークを提供す るために最も重要です。いたるところでネットワーク接 続されたエンドユーザ デバイスと IoE から一様にビッ グデータが生成されるようになった結果、データ分析 の重要性が高まり、データセンターの価値と成長がさ らに拡大しました。 これらは、社内データや従業員関連 データ、通信やプロセス、パートナーおよび顧客向けの 情報とサービスのいずれであるかにかかわらず、企業 のほぼあらゆる側面に影響を与えます。仮想化、新しい ソフトウェアベースのアーキテクチャ、管理ツール、パブ リックまたはプライベートのリソースの利用など、デー タセンターテクノロジーを効率的かつ効果的に利用す ることで、ビジネスの俊敏性、成功、競合との差別化を 強化することができます。 ビジネスの俊敏性とコスト最適化に対する関心の高ま りが、 クラウド データセンターの台頭と成長につながっ ています。National Institute of Technology(NIST) で は、 クラウド データセンターが持つ 5 つのクラウド コ ンピューティングの特徴を挙げています。その 5 つの 特徴とは、オンデマンド セルフサービス、広範なネット ワーク アクセス、 リソースのプーリング、迅速な弾力性 または拡張性、計測可能なサービスです。詳細につい ては、別添 E を参照してください。 クラウドの採用によっ て、サービスとデータの迅速な提供、 アプリケーション 性能の向上、運用の効率化が可能になります。 クラウドに移行可能な一部のアプリケーションにとって は、現在もセキュリティや既存 IT 環境との統合が課題 となっていますが、 コンシューマ向けおよびビジネス向 けクラウド サービスの種類は増え続けています。今日 のクラウド サービスは、 プライバシー、モビリティ、複数 デバイス アクセスなど、多様なお客様の要件に対処す るとともに、ネットワーク事業者に対してはパブリック クラウドとプライベート クラウドの両方で、短期的な商 機と長期的な戦略上の優先順位に対応しています。 © 2016 Cisco and/or its affiliates. All rights reserved.
ハイパースケール データセンターの成長
ビジネス向けとコンシューマ向けの両方のサービスの 側面からデータセンターとクラウドのリソースに対する ニーズが高まったことで、ハイパースケール データセン ターと呼ばれる大規模なパブリック クラウド データセ ンターが開発されました。ハイパースケール クラウド事 業者のクラウド分野での存在感は増大し続けています。 ハイパースケール クラウド事業者とは、年間収益につ いて定義された次の基準を満たしている事業者を指し ます。 • Infrastructure as a Service(IaaS)、Platform as a Service(PaaS)、 またはインフラストラクチャ ホス ティング サービス(例:Amazon/AWS、Rackspace、 Google)による年間収益が 10 億米ドルを超える • Software as a Service(SaaS) (Salesforce、ADP、 による年間収益が 20 億米ドルを超える Google など) • インターネット検索およびソーシャル ネットワーク (例:Facebook、Yahoo、Apple)による年間収益が 40 億米ドルを超える • e-コマース/決済処理(例:Amazon、Alibaba、eBay) による年間収益が 80 億米ドルを超える 前述の基準によりハイパースケール事業者に区分され る事業者は 24 社です。 これらの企業が運営するデー タセンターは、ハイパースケールと見なされます。ハ イパースケール事業者は、データセンター設備を自社 で所有している場合や、 コロケーション/ホールセール データセンター プロバイダーからリースしている場合 があります。 図 1.
データセンターの成長 47 %
600
43 %
33 %
400 ハイパー 300 スケール データセンター 200
45 %
38 %
500
27 %
485
40 % 35 %
データ 30 % センター サーバ 25 % (インストー 20 %ル ベース) 15 % の割合 (%) 10 %
399 346
21 %
259
447
50 %
297
100
5% 0%
0 2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)、Synergy Research
これらのハイパースケール データセンターの数は、 2015 年末の 259 から 2020 年までに 485 に増加す る見込みです。 これは、2020 年までにデータセンター サーバ総数の 47 % を占めると見られます。言い換え ると、2020 年にはパブリック クラウド サーバのイン ストール ベースの 83 %、パブリック クラウドのワーク ロードの 86 % を占めることになります。 これらの 24 社のうち、米国以外に本社を置いている のは 7 社のみですが、そのデータセンターの設置面積 は、地域により大きな差があります。
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図 2.
データセンターの成長:地域別の状況 600 中東およびアフリカ (0 %、0.8 %) 中央および東ヨーロッパ (0.4 %、1.4 %) 中南米 (3.9 %、4.5 %) 西ヨーロッパ (16 %、17 %) アジア太平洋 (29 %、33 %) 北米(51 %、43 %)
500 400
ハイパー 300 スケール データセンター 200 100 0 2015
2016
2017
2018
2019
2020
注:カッコ内のパーセンテージは 2015 年と 2020 年の相対的な割合を示しています。 出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)、Synergy Research
2016 年末には、 これらの 24 社のハイパースケール事 業者が持つデータセンター数は合計 297 になる見込 みであり、北米が最も多く 51 %、次いでアジア太平洋 が 29 %、西ヨーロッパが 17 %、中南米が 3 % です。 ハイパースケール データセンターの設置場所として最 も急成長している地域はアジア太平洋であり、今後 5 年間はさらに高い成長率を維持すると見られます。一 方で北米は、引き続き 2020 年末までハイパースケー ル データセンターの 43 % もの割合を占めると予想さ れます。 ハイパースケール データセンターは、サーバと同様に、 データセンターの全体的なデータ、 トラフィック、処理 能力の大部分を占めます。ハイパースケール データセ ンター内のトラフィックは、2020 年までに 5 倍になる 見込みです。ハイパースケール データセンターはすで に、すべてのデータセンター内のトラフィック全体の 34 % を占めており、2020 年までには 53 % を占めると見 られます。 また、ハイパースケール データセンターは、 データセンターに保存されている全データの 57 %、 データセンターの全処理能力の 68 % を占めると見ら れます。 図 3.
ハイパースケールの規模
2020 年までにハイパースケール データセンターに収容される割合:
現在:
47 %
すべてのデータセンター サーバのうち
21 %
68 %
すべてのデータセンターの処理能力のうち
39 %
57 %
データセンターに保存されるすべての データのうち
49 %
53 %
すべてのデータセンター トラフィックのうち
34 %
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
世界のデータセンター IP トラフィック:2020 年ま でに 3 倍に増加
ピアツーピア トラフィック (データセンターから発信さ れずにデバイスからデバイスへ直接送信される)がイ ンターネット アプリケーション トラフィックの内訳に おける主流から退いた 2008 年以降、ほとんどのイン ターネット トラフィックはデータセンターにおいて送 1
受信されています。今後しばらくは、インターネット ト ラフィックのほとんどをデータセンター トラフィックが 占めると見られます。ただし、データセンター トラフィッ クの特性は、 クラウドのアプリケーション、サービス、イ ンフラストラクチャによって根本的に変化しつつありま す。世界におけるクラウドの進化の重要性と関連性は、 この最新予測が最も強調する点でもあり、2020 年まで にデータセンター トラフィックの 90 % 超をクラウド ト ラフィックが占めるようになる見通しです。 以下のセクションでは、データセンターから送受信され るトラフィックの量と増加率に加え、データセンター内 の異なる機能ユニット間でやり取りされるトラフィック、 クラウドと従来のデータセンター セグメント、およびビ ジネスとコンシューマのクラウド セグメントについてま とめています。 図 4 は、2015 年から 2020 年におけるデータセン ター IP トラフィックの成長予測を示しています。 図 4.
世界のデータセンター IP トラフィックの増加率 CAGR 27 %
2015 ~ 2020 年
ZB/年
18 16 14 12 10 8 6 4 2 0
15.3 12.9 10.8 8.6 6.5 4.7
2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
インターネットおよび IP WAN ネットワークを通過する 世界のトラフィック量は 2020 年までに年間 2.3 ZB に 達すると予測されています1が、2015 年にはすでに世 界のデータセンター トラフィックが 4.7 ZB に達すると 見られており、2020 年には 3 倍の年間 15.3 ZB に達 する見込みです。CAGR で表すと、27 % の増加です。 データセンター トラフィック量が増加する要因の 1 つ として、データセンター内のトラフィック量の増加が挙 げられます(通常、インターネットおよび WAN のトラ フィックの定義の境界線はデータセンターとなります)。 Cisco GCI レポートの主な要素として実施される世 界のデータセンター トラフィック予測は、サービス プ ロバイダーと企業が運営する世界各国のネットワーク データセンターを対象としています。データセンター ト ラフィックおよびクラウド トラフィックの予測方法の詳 細については、別添 A を参照してください。Cisco VNI Global IP Traffic Forecast における GCI Forecast の 位置付けについては、別添 B を参照してください。
Cisco Visual Networking Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年を参照してください。
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表 1 は、世界のデータセンター トラフィックの増加率を詳細に示したものです。 表 1.
世界のデータセンター トラフィック (2015 ∼ 2020 年)
データセンター IP トラフィック (2015 ∼ 2020 年) CAGR (2015 ∼ 2020 年)
2015
2016
2017
2018
2019
2020
データセンターからユーザ
744
933
1,164
1,438
1,772
2,183
24.0 %
データセンター間
346
515
713
924
1,141
1,381
31.9 %
データセンター内
3,587
5,074
6,728
8,391
10,016
11,770
26.8 %
コンシューマ
2,997
4,304
5,836
7,435
9,075
10,906
29.5 %
ビジネス
1,681
2,218
2,768
3,318
3,853
4,429
21.4 %
クラウド データセンター
3,851
5,636
7,712
9,802
11,850
14,076
29.6 %
従来のデータセンター
827
885
892
951
1,078
1,259
8.8 %
6,522
8,604
10,753
12,928
15,335
26.8 %
タイプ別(EB/年)
セグメント別(EB/年)
タイプ別(EB/年)
合計(EB/年) データセンター トラフィッ ク合計
4,678
定義: • データセンターからユーザへ:データセンターからエ ンド ユーザへ、インターネットまたは IP WAN 経由 で流れるトラフィック • データセンター間:データセンターからデータセン ターへと流れるトラフィック • データセンター内:ラック内のトラフィックを除き、 データセンター内に留まるトラフィック • コンシューマ:コンシューマ エンド ユーザを送信元 または送信先とするトラフィック • ビジネス:ビジネス エンド ユーザを送信元または送 信先とするトラフィック • クラウド データセンター:クラウド データセンターに 関連するトラフィック
データセンター トラフィックの宛先:多くのトラ フィックはデータセンター内に留まる
データセンターを流れるコンシューマ トラフィックとビ ジネス トラフィックはおおまかに次の 3 種類に分類で きます(図 5)。 • データセンター内に留まるトラフィック:データセン ター内の開発環境から実稼動環境へのデータ移動、 ストレージ アレイへのデータの書き込みなど • データセンターからデータセンターへと流れるトラ フィック:クラウド間のデータ移動、 コンテンツ配信 ネットワークに属する複数のデータセンターに対す るコンテンツのコピーなど • データセンターからエンド ユーザへインターネットま たは IP WAN を経由して流れるトラフィック:モバイ ル デバイスや PC へのビデオ ストリーミングなど
• 従来のデータセンター:クラウド以外のデータセン ターに関するトラフィック
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図 5.
2020 年の世界のデータセンター トラフィック (発信先別)
データセンター からユーザ (14 %)
データセンター内 (77 %)
データセンター間 (9 %)
データセンター内 (77 %) 2020
A
ストレージ、生産および 開発データ、認証
データセンター間 (9 %)
B
レプリケーション、CDN、 Intercloud リンク
データセンターからユーザ (14 %) Web、電子
C
メール内 VoD、 WebEx など
2020 出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
データセンター内に留まるトラフィックは、予測期間に おいて同水準を維持すると考えられ、 データセンター ト ラフィック全体に占める割合は、2015 年には約 77 % でしたが、2020 年も約 77 % のままである見込みで す。データセンター内の合計には、 ラック ローカルのト ラフィック (特定のサーバ ラック内に留まるトラフィッ ク)は含まれません。 ラック ローカル トラフィックは、 予測に示した「データセンター内」 トラフィック量の約 2 倍です。 ラック ローカル トラフィックを含めるとトラ フィック分布が変わり、 トラフィックの 90 % 超がデータ センター内に留まることになります。 ビッグデータは、 データセンター内のトラフィックが増え る重要な要因の 1 つです。 ビッグデータ トラフィックの多 くがラック ローカルである一方で、 ラック外にも相当量 が出るため、 2020 年にはビッグデータがデータセンター 内のトラフィック全体の 17 % (2015 年から 10 % 上昇) を占めると見られます。 ビデオ ストリーミングはデータセ ンター内のトラフィック量を押し上げる要因にはなりませ ん。 これは、 ビデオ ストリームのサイズの大きさの割に、 最小限の処理がビデオ上で完了するからです。 データセンター間のトラフィックは、エンドユーザへの トラフィックやデータセンター内のトラフィックより速 いペースで増加しており、データセンター トラフィック 全体に占めるデータセンター間トラフィックの割合は、 2015 年末の 7 % から 2020 年には 9 % 近くまで上 昇すると予測されています。 このセグメントが高い増加 率を示す理由としては、 コンテンツ配信ネットワークの 普及、 クラウド サービスの増加とクラウド間のデータ転 送の必要性、データセンター間での複製が必要となる データ量の増大が挙げられます。 全体として、2020 年までに East-West トラフィック (データセンター内のトラフィックおよびデータセン ター間のトラフィック)がデータセンターの合計の 86 % を占め、 ノースサウス トラフィック (データセン © 2016 Cisco and/or its affiliates. All rights reserved.
ターからインターネットまたは WAN に送出されるトラ フィック)はデータセンターに関連するトラフィックのわ ずか 14 % です。
全世界のデータセンターおよびクラウドの IP トラ フィックの増加率
世界的な規模で見たデータセンターのトラフィックは CAGR 27 % のペースで増加します(図 4)が、 クラウド データ センターのトラフィックは 2015 年から 2020 年にかけてさらに早い速度(CAGR 30 %)、つまり 3.7 倍の成長率で増加することが予想されます(図 6)。 図 6.
データセンター トラフィック全体の増加
ZB/年
18 16 14 12 10 8 6 4 2 0
従来のデータセンター(CAGR 9 %)
CAGR 27 %
2015 ~ 2020 年
クラウド データセンター(CAGR 30 %) 8%
92 % 18 % 82 %
2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
図 7.
クラウド データセンターのトラフィックの増加 CAGR 30 %
ZB/年
16 14 12 10 8 6 4 2 0
2015 ~ 2020 年
14.1 11.9 9.8 7.7 5.6 3.9
2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
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クラウド ベースのトラフィックは、データセンターのトラ フィック全体の 90 % を超える見込みです(地域別のク ラウド トラフィックの傾向については別添 C を参照し てください)。 クラウド トラフィックの増加を促進してい る大きな要因は、 クラウド アーキテクチャの急速な導 入と移行、およびトラフィック負荷の増大に対応するク ラウド データセンターの処理能力です。 クラウド デー タセンターは、仮想化、標準化、 自動化の拡大に対応で きます。その結果、パフォーマンスが向上し、容量や処 理能力も増大します。
データセンター アーキテクチャの進化:SDN/NFV
3 つのテクノロジー トレンドによるデータセンターの 変革が進んでいます。それは、 リーフ スパイン アーキ テクチャ (データセンターの階層型アーキテクチャをフ ラットにする)、 ソフトウェア定義型ネットワーク (SDN) (データセンター トラフィックの制御と転送を分割す る)、ネットワーク機能の仮想化(NFV) (さまざまなネッ トワーク要素を仮想化する) です。 主要なハイパースケール データセンターのほとんど は、すでにフラット アーキテクチャとソフトウェア定義 型ネットワーク、 ストレージ管理を導入しており、大規模 な企業データセンターでは SDN/NFV 採用が急速に進 みました。データセンター内のトラフィックの一部とし て、SDN/NFV はすでに 23 % を伝送しており、2020 年 までには 44 % に上昇すると見られます(図 8)。 図 8.
データセンター内の SDN/NFV トラフィック 6.0
41 % 37 %
5.0
ZB/年
3.0
23 %
データセ 25 % ンター内の トラフィックの 20 % 割合(%) 15 %
2.2
10 %
1.4
1.0
40 % 30 %
3.1
2.0
2015 ~ 2020 年
35 %
4.1
28 %
50 % CAGR 44 % 45 %
5.2
33 %
4.0
44 %
5%
0.8
0%
0.0 2015
2016
2017
2018
2019
• ビッグデータ:SDN/NFV により実現されるトラフィック エンジニアリングは、 ビッグデータのクラスタ間で大量 2 のデータを安全に伝送できるようにし、 「ゾウ」 (大量) のデータフローをサポートしながらも、 「ネズミ」 (少量)3のデータフローを損なうことがありません。 • ビデオ ビットレート:SDN では、現在のようにビデオ の再生時間にわたって利用可能な帯域幅に応じて ビットレートを下げるのではなく、 ストリームの途中 でも利用可能な最大帯域幅を追求できるため、ビデ オのビットレートを上げることが可能になります • クラウド ゲーム:SDN では、データセンター内の遅 延を減らし、 クラウド ゲーム アプリケーションでエン ドユーザが体感する遅延を軽減できるため、 コンテ ンツ プロバイダーとエンド ユーザの両方でクラウド ゲームの採用が促進される可能性があります。
傾向 2:継続する世界中のデータセンターの仮想化 サーバのワークロードは、特定のアプリケーションの 実行または 1 対多ユーザに対するコンピューティン グ サービスの提供を目的として割り当てられた仮想ま たは物理コンピュータ リソース(ストレージを含む)の 集合体と定義されます。 ワークロードは、小型で軽量の SaaS アプリケーションから大規模なコンピューティン グ プライベート クラウド データベース アプリケーショ ンまで、広範なアプリケーションを表すための一般的な 指標です。定量化するために、 ここでは仮想マシンまた はコンテナに等しいワークロードを検討します。実際、 コンテナは、配置されるサーバあたりのワークロード 数を堅調に増加させる要因の 1 つです。Cisco Global Cloud Index では、 ワークロードは今後も引き続き、従 来のデータセンターからクラウド データセンターに移 行すると予測しています。2020 年までに、全ワークロー ドの 92 % が、 クラウド化されたデータセンターで処理 されるようになると見られます(図 9) 。 ワークロードの 地域別分布については、別添 D を参照してください。 図 9.
ワークロードの分布(2015 ∼ 2020 年)
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
SDN と NFV がフラット アーキテクチャと併用されるこ とで、現在よりもトラフィックのルーティングがさらに効 率化され、 データセンター内のトラフィック フローが効 率化される可能性があります。理論上は、SDN では仮 想マシンとコンテナを追跡するようにトラフィック処理 ポリシーを設定可能なことから、帯域幅のボトルネック に応じてトラフィックを最小化する目的で、 これらの要 素をデータセンター内で移動することができます。ただ し、SDN/NFV では、データセンター トラフィックと全般 的なインターネット トラフィックの両方の増加につなが る可能性もあります。
600
従来のデータセンター(CAGR 3 %) 8%
500
92 %
400 ワークロード の稼働数 (単位:100 万)
CAGR 21 %
2015 ~ 2020 年
クラウド データセンター(CAGR 26 %)
300 200 100 0
25 % 75 %
2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
2
ゾウ (大量)のフローは、業界によって定義が異なりますが、バイト数という点で不釣り合いなトラフィック量が伝送されるトラフ ィック フローを指し、通常は、一定期間内にトラフィック全体の 1 % を超える場合を言います。
3
ネズミ (少量)のフローでは、生成されるトラフィック量は平均以下ですが、遅延という点で厳格な要件がある場合があります。
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8
Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
クラウドのワークロードは、2015 年から 2020 年までの間に 3 倍以上(3.2 倍)に増加すると予想されます。 これに 対し、従来のデータセンターのワークロードは世界的に低下すると考えられ、2015 ∼ 2020 年の CAGR は -3% 減少すると予測されます。1 台のサーバで 1 つのワークロードが処理されていました。 しかし最近では、サーバの コンピューティング容量の増大と仮想化を背景として、 クラウド アーキテクチャでは、各物理サーバが複数のワーク ロードを担うことが一般的となっています。サーバのコスト、復元力、拡張性、製品寿命などのクラウドによる経済効 果、 さらにクラウドのセキュリティ強化が促進要因となり、データセンター内とデータセンター間(異なる地理的区域 のデータセンターも含む)のいずれにおいても、複数のサーバ間でのワークロードの移行が進行しつつあります。現 在は、1 つのエンドユーザ アプリケーションの処理を複数のワークロードに分割して、サーバ間で分散処理できる 場合が多くなっています。表 2 は、従来のデータセンターからクラウド データセンターへのワークロードの移行に関 する詳しいデータを示したものです。 表 2.
従来のデータセンターからクラウド データセンターへのワークロードの移行
世界のデータセンターのワークロード (単位 100 万) 2016
2017
2018
2019
2020
従来のデータセンターのワークロード
44.9
45.1
44.2
43.4
41.5
38.8
-3 %
クラウド データセンターのワーク ロード
136.0
189.8
255.4
322.0
383.3
440.0
26 %
データセンターのワークロード合計
180.9
234.9
299.7
365.4
424.8
478.8
21 %
データセンターのワークロード全 体に対するクラウドのワークロード の割合
75 %
81 %
85 %
88 %
90 %
92 %
–
データセンターのワークロード全体 に対する従来のワークロードの割合
25 %
19 %
15 %
12 %
10 %
8%
–
従来のデータセンターからクラウド データセンターへ のワークロードの移行に影響を及ぼしている主な要因 の 1 つに、 クラウド スペースにおける仮想化の拡大が あります(図 10)。 これにより、 クラウドでワークロード を動的に展開し、 クラウド サービスの動的な需要を満 たすことが可能になっています。 クラウド データセン ターにおいて仮想化の度合が高まっていることは、 ワー クロード密度によって表すことができます。 ワークロー ド密度は、物理サーバ 1 台あたりの平均ワークロード 数で表されます。 クラウド サーバのワークロード密度 は、2015 年の 7.3 から 2020 年には 11.9 まで増加 すると見られます。 これに対し、従来のデータセンター サーバのワークロード密度は、2015 年の 2.2 から 2020 年には 3.5 に上昇すると予想されます。 図 10.
クラウド仮想化の増加 14
従来のデータセンター
12
クラウド データセンター
11.9
10 平均 ワークロード 密度
8
7.3
6
2 0
サーバあたり のワークロード
3.4 倍 3.3 倍
4
3.5
2.2
2015
2016
2017
2018
2019
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
4
CAGR (2015 ∼ 2020 年)
2015
2020
サーバあたり のワークロード
パブリック クラウドとプライベート クラウドの比較4
次に、 ワークロード分析によってパブリック クラウドと プライベート クラウドの成長を比較検討します。パブ リック クラウドは、 ワークロードの増加からわかるよう に、 プライベート クラウドより速いペースで成長してい ます。企業では、専用 IT リソースに伴うコストへの懸念 が強まっており、俊敏性も求められているために、特に セキュリティが強化されていることが要因となってパブ リック クラウドの導入が進んでいると考えられます。多 くのミッションクリティカルなワークロードは今後も従 来のデータセンターやプライベート クラウドで処理さ れる可能性がありますが、パブリック クラウドは、その 信頼性が向上するとともに導入が進んでいます。企業 によっては、 クラウドについてハイブリッド アプローチ を採用する可能性もあります。ハイブリッド クラウド環 境では、 クラウド コンピューティング リソースを社内の 部門と外部のプロバイダーが分担して管理します。ハイ ブリッド クラウドの一例として、 クラウド バースティン グがあります。 これは、 日常のコンピューティング要求は プライベート クラウドで処理し、負荷が急激に高まった ときには追加のトラフィック需要(バースティング)をパ ブリック クラウドで処理するというものです。 クラウド全体のワークロードの増加率は、2015 ∼ 2020 年で CAGR 26 % になると見られていますが (図 11)、パブリック クラウドのワークロードの増加率 が 2015 ∼ 2020 年で CAGR 35 % であるのに対し、
パブリック クラウドとプライベート クラウドの詳細については、別添 E を参照してください。
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9
Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
プライベート クラウドのワークロードの増加率はそれ より低く、2015 ∼ 2020 年で CAGR 15 % と予測され ます。2016 年までには、 プライベート クラウドのワー クロード(44 %) と比べてパブリック クラウドのワーク ロード(56 %)が多くなる見込みです。 図 11.
パブリック クラウドとプライベート クラウドの成長の比較
500 450 400 350 300 ワークロード 250 の稼働数 200 (百万単位) 150 100 50 0
パブリック クラウド データセンター(CAGR 35 %)
CAGR 26 % 2015 ~ 2020 年
プライベート クラウド データセンター(CAGR 15 %)
68 %
49 % 51 %
56 % 32 %
44 %
2015 2016* 2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
パブリック クラウド スペースにおけるワークロードの 増加は、図 12 に示すとおり、仮想化の拡大にも影響し ています。パブリック クラウド データセンターのワーク ロード密度は、2016 年までには、 プライベート クラウ ド データセンターを上回ると見られます。 図 12.
パブリック クラウド仮想化の勢いが強まる 14
従来のデータセンター
12
パブリック クラウド データセンター
12.4
プライベート クラウド データセンター
11.0
10 平均 ワークロード 密度
8
7.7 6.9
6
0
図 13. SaaS は 2015 年から 2020 年までにグローバル クラ ウド サービスの中で導入率が最も高くなる 500 450 400 350 300 ワークロード 250 の稼働数 (百万単位) 200 150 100 50 0
SaaS(CAGR 30 %)
CAGR 26 % 2015 ~ 2020 年
IaaS(CAGR 17 %) PaaS(CAGR 24 %)
8% 17 %
74 %
9% 26 % 65 %
2015
2016
2017
2018
2019
2020
3.5 2.2
2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
傾向 3:クラウド サービスの傾向 このセクションでは、IaaS、PaaS、SaaS5 という 3 種類 のクラウド サービスの成長率について分析します。他 にも多くのサービス カテゴリがありますが、それらも IaaS、PaaS、SaaS のいずれかのカテゴリに分類できま す。たとえば、Business Process as a Service(BPaaS) は SaaS の一部と見なすことができます。わかりやす くするために、 これら 3 つのサービス モデルをクラウ ドのそれぞれ異なるレイヤと考えることにします。一番 下のレイヤがインフラストラクチャ、中間のレイヤがプ ラットフォーム、最上部のレイヤがソフトウェアです。
5
クラウド全体で見ると、SaaS が最大のワークロード シェアを獲得し、2020 年にはクラウド ワークロード全 体の 74 % を占めると予想されています。CAGR は、 2015 ∼ 2020 年で 30 % となります(図 13)。PaaS は 2 番目に高い成長率を示していますが、 クラウド ワークロード全体に対するシェアは 2015 年の 9 % か ら 2020 年には 8 % に低下すると予想されています。
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
4 2
GCI では、 クラウド ワークロードを IaaS、PaaS、SaaS のいずれかに分類するにあたり、サービスの提供に おいて他のクラウド サービス タイプが関係の有無に かかわらず、ユーザが最終的にサービスをどのように 利用するかを基準としました。たとえば、あるクラウド サービスが SaaS タイプでありながら、PaaS や IaaS など、他のクラウド サービスの一部に依存するとして も、そのワークロードはあくまでも SaaS と見なします。 また、PaaS ワークロードが IaaS サービス上で動作す る場合でも、そのワークロードはあくまでも PaaS と見 なします。
この傾向の理由を理解するためには、パブリック クラウ ド セグメントとプライベート クラウド セグメントにつ いて、 もう少し深く分析する必要があります。 プライベー ト クラウドでは、当初、IaaS が圧倒的な導入シェアを 獲得していました。テストおよび開発型のクラウド サー ビスは、当初は企業で使用されていました。 クラウドは IT サービスの展開を根本から変えるものであり、企業 にとっては、 クラウドを導入するのであれば、 まずプライ ベート クラウドから始めるのが安全で現実的な選択で した。その導入は限定的であり、企業内の IT リソース の機能に障害をもたらすリスクはありませんでした。 テクノロジーによる処理能力の向上、 ストレージの進 歩、 メモリの進歩、ネットワーキングの進歩により、SaaS またはミッションクリティカルなアプリケーションの導 入に対する信頼性が徐々に高まると、予測期間におい て SaaS 型アプリケーションの導入が加速し (図 14)、 一方、IaaS と PaaS のワークロード シェアは減少する と予想されます。
IaaS、PaaS、および SaaS の定義については、別添 E を参照してください。
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10
Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
図 14.
プライベート クラウドで SaaS 導入の勢いが強まる 160
PaaS(CAGR 51 %)
140
IaaS(CAGR 48 %)
120
CAGR 35 % 2015 ~ 2020 年
SaaS(CAGR 31 %)
7% 14 %
100 ワークロード の稼働数 (百万単位)
80 60
13 %
40
39 %
20
48 %
0
2015
79 %
2016
2017
2018
2019
傾向 4:アプリケーション別ワークロード 今年初めて、 アプリケーション別にワークロードの内訳 を分析しました。2015 年は、企業(SMB、政府、公的機 関を含む)がワークロードの 79 % を占め、 コンシュー マが 21 % を占めていたと算出しています。合計に占め るコンシューマのシェアは 2020 年までに 28 % に上 昇するのに対し、企業セクターのシェアは 72 % に低下 する見込みです(図 16)。 図 16. 世界のデータセンターのワークロード:コンシューマと 企業のアプリケーションの比較
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
コンシューマのワークロード(CAGR 28 %)
パブリック クラウド セグメントでは、最初に導入すべき クラウド サービスは SaaS でした。パブリック クラウド で提供される SaaS サービスは、多くの場合、ユーザに 費用や柔軟性の点で明確なメリットをもたらす、低リス クで導入が容易な提案でした。SaaS の初期のユーザは コンシューマ セグメントで、 その後に中小規模の企業 が続きました。パブリック SaaS ソリューションが高度化 し堅牢性が向上するに伴い、大規模企業もあまり重要 ではないサービスから SaaS に移行し始めています。企 業、特に大規模企業は、パブリック クラウド サービスの 導入がもたらすメリット (拡張性、一貫性、 コスト最適化 など) をリスク (セキュリティ、 データの整合性、ビジネス 継続性など) との対比によって慎重に評価します。 図 15 に示すとおり、IaaS と PaaS は、パブリック クラ ウドにおいては導入の初期段階を終えました。パブリッ ク IaaS および PaaS への投資は、エンタープライズ データセンター機器、データセンター施設、付随する運 用コストに比べると、 まだ小規模なものに留まっていま す。 これらのクラウド サービスは、 より競争力のあるソ リューションが市場に投入され、企業がより技術的に高 度で基本的なサービスのアウトソーシングに対する信 頼を高めることにより、予測期間内に徐々に導入の勢い が強まると考えられます。 図 15. IaaS と PaaS がパブリック クラウドのワークロード シェ アを拡大 CAGR 35 %
2015 ~ 2020 年
350
PaaS(CAGR 51 %)
300
IaaS(CAGR 48 %)
9%
SaaS(CAGR 31 %)
19 %
250 ワークロード 200 の稼働数 (百万単位) 150
100 50 0
72 % 5% 12 % 83 %
2015
2016
2017
2018
2019
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
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2020
エンタープライズのワークロード(CAGR 19 %)
600 500
28 %
ワークロード 400 の稼働数 300 (百万単位)
200 100 0
CAGR 21 % 2015 ~ 2020 年
72 %
21 % 79 %
2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
企業内のワークロード全体のうち大きな割合を占める のが、 コンピューティング/IaaS とコラボレーションの 2 つです。一方、 コンシューマでは、 ソーシャル ネットワー キングとビデオ/メディア ストリーミングが最も大きな 割合を占めます。 これらの割合は変化しますが、 ワーク ロード全体において今後 5 年間にわたり引き続き大き な割合を占めるでしょう (図 17) 。 アプリケーションの定 義については、別添 F を参照してください。 図 17.
世界のデータセンター ワークロード (アプリケーション別)
600 500 400 ワークロード の稼働数 300 (百万単位)
その他のコンシューマ アプリケーション(CAGR 23 %) 検索(CAGR 25 %) ソーシャル ネットワーキング(CAGR 33 %) ビデオ ストリーミング(CAGR 32 %) ERP その他のビジネス アプリケーション(CAGR 17 %) データベース、分析、IoT(CAGR 22 %) コラボレーション(CAGR 18 %) コンピューティング(CAGR 21 %)
CAGR 21 %
2015 ~ 2020 年
コンシューマ
200
エンタープライズ
100 0
2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
ワークロードのアプリケーション別の内訳を、従来型、 パブリック、 プライベートのクラウド データセンターで 分類すると、 コンシューマ アプリケーションのワーク ロードのうち最もシェアが大きいのはパブリック クラ ウド データセンターであることがわかります。それに対 し、ビジネス/企業セグメントでは従来型とプライベート のクラウド データセンターのシェアが大きくなっていま す(図 18)。
11
Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
図 18. 世界のデータセンター ワークロード (アプリケーショ ン別) :従来型とクラウドの比較(2015 年) 従来型
プライベート クラウド
図 20. 世界のデータセンターのストレージ容量:従来型とクラ ウドの比較 2,000
パブリック クラウド
その他のコンシューマ アプリケーション
1,800
検索
1,600
パブリック クラウド データセンター プライベート クラウド データセンター 従来のデータセンター 1,405
1,400 設置 されている 1,200 ストレージ 1,000 容量 (エクサバ 800 イト単位) 600
ソーシャル ネットワーキング ビデオ ストリーミング ERP その他のビジネス アプリケーション データベース、分析、IoT コラボレーション
400
コンピューティング
200
0%
20 %
40 %
60 %
80 %
100 %
1,842
70 %
1,065 782 546
382 45 % 20 % 35 %
0
2015
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
18 % 12 % 2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
しかし 2020 年までには、 データベース/分析/IoE など のビジネス アプリケーションのカテゴリを除くすべて のアプリケーションで、従来型とプライベートのクラウ ド データセンターのシェアがパブリック クラウドに奪 われると見られます。後者のカテゴリでは、 プライベー ト クラウドがほぼそのシェアを維持します(図 19)。 図 19. 世界のデータセンター ワークロード (アプリケーション 別) :従来型とクラウドの比較(2020 年) 従来型
プライベート クラウド
世界のデータセンターのストレージ使用率
データセンター内に保存されている実データの総量を初 めて算出しました。 世界全体でデータセンターに保存さ れているデータは 2020 年までに 3 倍に増加し、 2015 年の 171 EB から 2020 年には 5.3 倍の 915 EB に達 する見込みです (CAGR は 40 % となります) (図 21) 。 図 21.
パブリック クラウド
データセンターに保存されている実データ 1,000
その他のコンシューマ アプリケーション
900
検索
800 700
ソーシャル ネットワーキング
915
600
ビデオ ストリーミング
エクサバイト
ERP その他のビジネス アプリケーション
689
500
513
400
370
300
データベース、分析、IoT
200
コラボレーション
100
コンピューティング
0%
CAGR 40 %
2015 ~ 2020 年
0
20 %
40 %
60 %
80 %
100 %
251 171
2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
傾向 5:データセンターおよびクラウドのストレージ6: 容量と使用率 世界のデータセンターに設置されているストレージ 容量
今年初めて、世界のデータセンターに設置されているス トレージ容量を分析しました。データセンターの合計ス トレージ容量は、2015 年の 382 EB から 2020 年に は 1.8 ZB に増加し、2015 ∼ 2020 年にかけて 5 倍 近く増加すると予測されます。合計ストレージ容量のう ちクラウドが 88 % を占めると見られます(図 20)。
保存されているデータが全体的に増加する主な要因 は、ビッグデータです。ビッグデータは、2015 年の 25 EB から 2020 年にはその約 10 倍の 247 EB に増加 すると予想されます。データセンターに保存されてい るデータのうちビッグデータが単独で占める割合は、 2015 年の 15 % から 2020 年には 27 % に上昇する 見込みです(図 22)。 図 22.
ビッグデータの量 CAGR 58 %
300
2015 ~ 2020 年
250 247
200
エクサバイト 150
173
100
116 73
50 0
6
43
2015
2016
2017
2018
2019
2020
ストレージには、テープなどのアーカイブ メディアを含めません。
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Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
ここでのビッグデータは、分散処理とストレージの環境 (Hadoop など)に配置されたデータと定義されます。 分散処理は一般に、データの量が大きい(100 TB 超) か、データの速度が高速である (1 秒あたり 10 ギガバ イト超で送受信される)か、データが多様である (数十 種類以上のソースからのデータが組み合わされてい る)場合に、 アーキテクチャとして選択されます。ビッグ データは、データ分析やデータ サイエンスと同じ意味 で使われることがありますが、データ サイエンスの手法 はどのような規模のデータにも使用できるものであり、 データ サイエンスで得られる洞察の質は、基礎となる データの規模には関連しません。 データセンターに保存されるデータ量は 2020 年まで におよそ 1 ZB になるのに対し、デバイスに保存され るデータ量は 2020 年までに 5 倍の 5.3 ZB になると 予測されます。世界の保存データの合計 6.2 ZB のう ち、ほとんどは現在と同様引き続きクライアント デバイ スに保存されると見られます。現在、保存データのうち データセンターに保存されているのはわずか 12 % で すが、徐々にデータセンターに移行されるデータが増え る見込みです(図 23)。保存されたデータの増加に加え て、2020 年までにはデータがさらに多様なデバイスに よって保存されると考えられます。現在、 クライアント デ バイスに保存されているデータの 61 % は PC 上にあ ります。2020 年までに、PC に保存されるデータは 52 % に低下し、 より多くのデータが、 スマートフォン、 タブレット、Machine-to-Machine(M2M)モジュールに 保存されるようになります。M2M に関連する保存デー タは、他のデバイス カテゴリよりも急速に増加します。 図 23.
データセンターのストレージ分析
保存される総データ量は 2020 年までに 1.4 ZB から約 3 倍の 6.2 ZB に増加する。 クライアント デバイスに保存されたほとんどのデータは徐々にデータセンターに移行する。 2015 88 % のクライアント デバイスまたは M2M 12 % DC 2020
1.4 ZB
84 % のクライアント デバイスまたは M2M
16 % DC
6.2 ZB
クライアント デバイス(PC、タブレット、電話、M2M など)に保存されるデータ データセンターに保存されるデータ 2015 2020
61% 52 %
PCs タブレット
18 %
12 %
8 % 5 %5 %
スマートフォンとファブレット M2M
915 EB
981 EB/月
コンシューマ クラウド ストレージの成長
コンシューマ インターネット人口と複数デバイス所有 の増加に伴い、 コンシューマ クラウド ストレージ(パー ソナル コンテンツ ロッカーとも呼ばれる)などのクラウ ド サービスの利用が大幅に拡大すると考えられます。 個人のコンテンツ ロッカーでは、使いやすいインター フェイスを使用して、比較的低コストで、 または無償で 音楽、写真、ビデオを保存し、共有することができます。 さらに、 タブレットやスマートフォンといったモバイル デバイスの普及によって、ユーザはより便利な方法で パーソナル コンテンツ ロッカーにアクセスできるよう になりました。 Cisco GCI では、インターネット利用者人口のうちパー ソナル クラウド ストレージを使用する割合が 2015 年 の 47 %(13 億人)から 2020 年には 59 %(23 億人) まで増加すると予測しています(図 24)。 図 24.
CAGR 12 %
2015 ~ 2020 年
2,500 2,000 1,926
1,500
コンシューマ数 (単位:100 万) 1,000
1,329
2,111
2,309
1,754
1,561
500 0 2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)、Juniper Research
Cisco GCI では、世界のコンシューマ クラウド ストレー ジの年間トラフィックが 2015 年の 8 EB から 2020 年 には 48 EB まで増加し、CAGR は 42 % に達すると予 測しています(図 25)。ユーザあたりの月間トラフィッ クに換算すると、2015 年は 513 MB だったのに対し、 2020 年には 1.7 ギガバイト (GB)になります。 図 25.
2020 保管中のデータ(保存量) 活動中のデータ(トラフィック)
コンシューマ クラウド ストレージ トラフィック7の増加 60
CAGR 42 %
2015 ~ 2020 年
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
今後はクラウドベース サービスにより、 コンシューマも 企業も、あらゆる場所のあらゆるデバイスで、 コンテン ツとアプリケーションへのユビキタス アクセスを提供 する多くの中央リポジトリに保存されるデータを移動で きるようになります。次の項で、 コンシューマ クラウド ス トレージの成長について説明します。
パーソナル クラウド ストレージ:ユーザ数の増加
50 40
48 37
30 EB/年
29
20
21 14
10 0
8 2015
2016
2017
2018
2019
2020
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
7
コンシューマ クラウド ストレージ トラフィックには、パーソナル コンテンツ ロッカー、 クラウド バックアップなどを含みます が、 クラウド DVR を含めません。
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傾向 6:世界的なデジタル化:IoE の影響 世界のデータセンターに対する IoE の潜在的な影響 クラウド サービスが加速した理由の 1 つとなったのは、人だけでなくマシンやモノによって生成される前例のない データ量です。Cisco GCI の予測によると、人、マシン、モノによって生成されるデータは 2015 年の 145 ZB から 2020 年には 600 ZB に増加する見込みです。 図 26 に、 さまざまなモノやシステムの中でも特に航空機、 自動車、 建造物から生成されるデータ量の例を示します。 図 26.
スマート シティ:複数のアプリケーションがビッグ データを生成
スマート シティは何でできている?
複数のアプリケーションがビッグ データを生成 コネクテッド プレーン
インテリジェント ビルディング
40 TB/日 (0.1 % 転送)
275 GB/日 (1 % 転送)
コネクテッド ファクトリー 1 PB/日 (0.2 % 転送)
パブリック セーフティ
スマート ホスピタル
100 万人規模 の都市では 2020 年ま でに毎日 2 億ギガバイト のデータが生成される
50 PB/日 (0.1 % 未満の転送)
5 TB/日 (0.1 % 転送)
スマート カー 70 GB/日 (0.1 % 転送)
気象センサー
スマート グリッド
10 MB/日 (5 % 転送)
5 GB/日 (1 % 転送)
Source: Cisco Global Cloud Index, 2015–2020
2020 年に生成される 600 ZB 超のデータのほとんどは、実際には一時的なものであり、保存されません。 この一時 的なデータの多くは保存する意味のないものですが、約 10 % は有用であると見積もっています。つまり、2020 年 には、使用されるデータ (6 ZB)の 10 倍多く (合計 600 ZB の 10 % で 60 ZB)有用なデータが作成されることに なります。エッジ コンピューティングやフォグ コンピューティングは、 このギャップを埋める可能性があります。
M2M データ分析要件によるフォグ/クラウド コンピューティングの促進
マシンツーマシン接続とアプリケーションの増加によっても、新しいデータ分析が求められています。すべての M2M アプリケーションが多くのトラフィックを促進しているわけではありませんが、M2M アプリケーションのデータ が分析可能であれば、そのような接続のすべてがインテリジェントで実用的な情報を提供できます。図 27 に、 プロ トコル環境の複雑さとデータ分析ニーズに関する、いくつかの M2M アプリケーションのマップを示します。IoT アプ リケーションは、多様な特徴を持っています。 アプリケーション分析や管理がエッジ デバイス レベルで行われる場 合がある一方で、通常はクラウドにホストする形で一元的に処理するのが適切な場合もあります。 フォグ(分散型インテリジェンス)の提案および関連するインテリジェントなゲートウェイに関する販売機会は、次の 2 つの要件を満たす市場で最も有力です。1 つ目の要件は、データ分析の焦点がいわゆる集約レベルであること、2 つ目の要件は、問題になる程度のプロトコルの複雑さです。特に 1 つ目の点は、製品セグメントとしてインテリジェ ント ゲートウェイの需要を判断するうえで決め手となり始めています。 このような市場は一般に、製造、採取産業、医 療機関などの産業 IoT の領域に存在します。 スマート メーターなどのアプリケーションは、電気、 ガス、水道などのリ ソースの使用を最適化可能にする集約データのリアルタイム分析を活用することができます。ローカル レベルの分 析は、規制上の理由で、 またはデータのアップストリーム伝送のコストの高さや分析に伴う待ち時間の長さを許容 できないために、データをローカルに保存して分析する必要があるアプリケーションに適しています。 今後数年間での IoT の主な問題は、補完原則です。つまり、データ分析を適切なレベルで実行することです。ほとん どの場合、ローカルで管理するためのアプローチと機能に、一元的なアプリケーション管理を組み合わせることが ますます重要になると考えられます。
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図 27.
M2M 接続の増加により新しいデータ分析が必要になる
クラウド レベル
利用ベース保険
水道 メーター
データ分析の焦点
ホーム オートメーション スマート グリッド 輸送 (水道) (陸路)
電気 メーター
駐車スペース 管理
集約 レベル
保管倉庫と 貯蔵庫
スマート グリッド (電気)
街灯
会場 管理
ローカル レベル
コネクテッド カー (自動運転)
採掘操業
統合
石油およびガス (アップストリーム) 輸送 (海路)
輸送 輸送 (鉄道) (空路)
CCTV (イベント検出)
ビルディング オートメーション 製造 (ディスクリート型) 製造 (プロセス型)
管理可能
医療 (機器)
問題あり
プロトコル環境の複雑さ 出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
傾向 7:世界のクラウドへの対応準備状況 セキュリティ:クラウドの成長における必須条件
クラウドへの移行は差し迫った状況です。昨年だけでも、 さまざまな企業や組織がクラウドに移行または採用する 計画をしていると報告しました。たとえば、Netflix Inc. は 2016 年のうちに従来型の最後のデータセンターをクロー ズする計画を発表しました。 これにより同社は IT すべてをパブリック クラウドで実行する最初の大企業の 1 つに なりました。 「ビジネスの傾向に沿って、 これまでかなりの期間をかけて、顧客向けシステムを 100 % クラウドベー スにしてきました。今年の夏の終わりには自社のデータセンターは完全に廃止することを計画しています。」8 図 28 に、 クラウドの例を追加でいくつか紹介します。 図 28.
幅広いクラウド採用例
幅広いクラウド採用例 障壁の克服と運用効率の実現
Netflix
Netflix が最後の DC を閉鎖し、 クラウドへの移行を完了
「当社では、 スケーラブルなコンピューティングとストレージのニーズのすべ てにクラウドを利用しています。ビジネス ロジック、分散データベース、ビッグ データ処理/分析、推奨、 トランスコーディングなど、数多くの機能でクラウド を利用しています」 Netflix 担当者
Deutshce 銀行は 3 年間でワークロードの 30 % Banke をクラウドに移行 「インフラストラクチャ コストの削減、柔軟性の向上へのプレッシャーに加えて、 クラウド ベンダーが提供するセキュリティおよびコンプライアンスのサービス によって、銀行がこのテクノロジの調査に向けて意欲を示すようになりました」 Wall Street Journal
医療情報交換の 34.3 % はすでに クラウドで行われている 保護医療情報(PHI)に関してクラウドを信頼する医療機関が増えています。 患者エンゲージメント ツールの 36.2 % はクラウドで利用されており、医 療機関の 5.3 % はビッグ データを分析するコンピューティング サイクル にクラウドを利用しています。 2016 HIMSS Analytics クラウド調査
HESS GE Oil & Gas
医療情報交換の 34.3 % はすでに クラウドで行われている
一貫操業の石油会社は、パブリック クラウドへの大規模な移行を進めてい ます。 「当社が設置するほぼすべてのものにセンサーが搭載されています」 Zhanna Golodryga 氏、Hess CIO また、GE Oil & Gas ではコア アプリケーションの半分をクラウドに移行し ました。
拡張性とリソースの割り当ては、仮想化(「傾向(その 2) :継続する世界中のデータセンターの仮想化」の項を参照) とクラウド コンピューティングの主な利点です。管理者は、新しいハードウェアを購入またはプロビジョニングする オーバーヘッドなしで、仮想マシン(VM)やサーバを迅速に立ち上げることができます。ハードウェア リソースは迅 速に再割り当てすることができ、余分の処理能力は、効率が最大になるように他のサービスに使用できます。すべて の処理能力を活用し、単一サーバ モデルにハードウェアが必要なくなるので、 プライベート クラウドとパブリック ク ラウドのどちらでも優れたコスト効率が実現します。 8
http://blogs.cisco.com/sp/global-data-center-growth-supporting-the-next-data-deluge [英語]
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National Institute of Technology(NIST)によると、 クラ ウド コンピューティングは 3 つの主要なサービス タイ プに分類できます(「傾向 3:クラウド サービスの傾向」 を参照)。Infrastructure as a Service(IaaS)、Platform as a Service(PaaS)、および Software as a Service (SaaS)の 3 つです。 これらはそれぞれいくらか異なる 形でデータ制御とガバナンスに影響します。IaaS を使 用する場合、顧客は実際のサーバ構成に対して完全な 制御ができる場合があるため、環境とデータに対するリ スク管理も、 より制御できるようになります。PaaS を使 用する場合、 プロバイダーがハードウェアとその基盤と なるオペレーティング システムを管理し、 これらのコン ポーネントに対するエンタープライズ リスク管理機能 はプロバイダーが制限します。SaaS を使用する場合、 プラットフォームとインフラストラクチャの両方をクラ ウド プロバイダーがすべて管理します。つまり、基盤と なるオペレーティング システムまたはサービスが適切 に設定されていない場合、上位層のアプリケーションの データが危険にさらされる可能性があります。 世界のサイバー犯罪による損害は、2015 年の 3 兆ド ルから 2021 年には年間 6 兆ドルに上ると予測されま す。サイバー犯罪によるコスト予測には、データの存在 と破壊、金銭の盗難、生産性の低下、知的財産の盗難、 個人情報および財務データの盗難、横領、詐欺、攻撃後 の通常業務の中断、科学捜査、ハッキングされたデータ 9 とシステムの復元と削除、 評判への被害が含まれます。 サイバー上の脅威が標的にして被害を与える対象は、 コンピュータ、ネットワーク、 スマートフォンから、人、車、 鉄道、飛行機、電力網や、心拍または電子パルスに関連 する何らかの機器といった、 クラウドを利用するものへ と移っています。 クラウド セキュリティ脅威の観点から すると、 ここ数年間は間違いなく重大な出来事の多い 期間でした。大きな漏えい問題や増大する分散型サー ビス拒否(DDoS)攻撃が見られました。特に、広く利用 されている OpenSSL 暗号化ソフトウェア ライブラリ の重大な脆弱性である Heartbleed や、オープン ソー スの脆弱性である Shellshock に対して、多くのネット ワーク セキュリティ ベンダーや他のネットワーキング デバイス メーカーは競い合うように自社のアプライア ンスに対する一連のパッチをリリースしました。 これら の対応により、必要とする顧客にサポートを提供するセ キュリティ ベンダーの効果性が明らかになりました。 ま た、 クラウドのセキュリティと管理の広範な採用や、非 常に迅速な発展状況が明らかになりましたファイル共 有サービスにアップロードされるすべてのドキュメント で、最も一般的なセンシティブ コンテンツのタイプは、 社外秘の企業データ (財務記録、事業計画、 ソース・コー ド、 トレーディング アルゴリズムなど) です。 ファイル共 有サービスで扱われるドキュメントのうち合計 7.6 % に機密データが含まれます。次に多いのが個人情報(社 会保障番号、納税者 ID 番号、電話番号、住所など) で、
9
全ドキュメントの 4.3 % に含まれます。次いで、 ドキュ メントの 2.3 % に含まれるのが決済データ (クレジット カード番号、デビット カード番号、銀行口座番号など) です。そして最後に、 ドキュメントの 1.6 % には、保護 医療情報(患者診断、治療、医療記録 ID など)が含まれ ます。10 ユーザは、常に使用可能で、常に安全で、個人とビジネ スの資産が安全なオンライン エクスペリエンスを求め ています。 より多くのデータ、ビジネス プロセス、サービ スがクラウドに移行しているため、セキュリティのため にパフォーマンスを犠牲にすることなく、Web サイトと インフラストラクチャを保護することが組織にとって課 題となっています。 ユーザの期待に応じるため、 より多くの安全なインター ネット サーバが世界中に導入されつつあります。 この 状況により、 より厳格な認可と認証プロセスを提供し、 セキュアなトランザクションと通信をエンドユーザに提 供するインフラストラクチャ フットプリントが増加して います。Web に接続しているサーバの総数に対して、 Secure Sockets Layer(SSL) を使用してインターネット 上で暗号化トランザクションを行うセキュアなインター ネット サーバの割合を、図 29 に示します。過去 1 年間 に、Web に接続しているサーバに対するセキュアなイ ンターネット サーバの割合では、北米と西ヨーロッパが リードしています。。 図 29. Web に接続するインターネット サーバの総数に対する セキュアなインターネット サーバの割合(地域別)および 2014 年末から 2015 年の増加率 認証およびセキュアなインターネットの実現 Web に接続しているサーバの総数に対するセキュアなインターネット サーバの割合
西ヨーロッパ 51 % 前年比 +1 %
北米 28 % 前年比 +1 %
アジア太平洋 24 % 前年比 +1 %
MEA 12 % 前年比 +2 %
中央および東 ヨーロッパ 34 % 前年比 +5 %
中南米 14 % 前年比 +1 %
出典:Cisco GCI 2016、UN、NetCraft、Synergy Research
エンドユーザのセキュリティ問題は存在するものの、 ア マチュア ハッカーの時代は終了し、ハッキングは組織 犯罪または国家的な事件となっています。顧客に対す る DDoS 攻撃はサービス プロバイダーにとって主要な 運用上の脅威です。インフラストラクチャに対する攻撃 は顕著に増加が続いています。 フィッシングとマルウェ アの脅威は毎日のように発生しています。
http://cybersecurityventures.com/hackerpocalypse-cybercrime-report-2016 [英語]
10
https://www.skyhighnetworks.com/cloud-report/ [英語]
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シスコ 2016 年度セキュリティ レポートによると、2015 年は公共機関が Web マルウェア遭遇リスクが最も高い 業種となりました。ハイリスクな業界の Web マルウェア出現を追跡するために、攻撃トラフィックの相対的な量 (「ブロック率」) と、 「正常」 または予想されるトラフィックの相対的な量を調査しました。2015 年 1 月から 3 月は、 最もブロック率の高い業界は政府機関でした。3 月から 5 月は電子工業で、夏にはプロフェッショナル サービスの ブロック率が最大でした。図 30 に示すように、2015 年の秋には、医療機関のブロック率がすべての業界をリード していました。 図 30.
月ごとの業界のブロック率、2014 年 11 月∼ 2015 年 9 月
出典:シスコ セキュリティ リサーチ
暗号化トラフィック、特に HTTPS は転換点に到達しま した。 これはまだトランザクションの主流ではありませ んが、すぐにインターネット上のトラフィックの主要な 形式となるでしょう。暗号化トラフィックは、転送される バイトの 50 % 以上を占めています(図 31)。 これは、 HTTPS のオーバーヘッドや、 ファイル ストレージ サイ トへの転送など、HTTPS を介して送られる大容量のコ ンテンツなどによります。 図 31.
SSL/HTTPS のパーセンテージ トラフィックの割合 60
合計バイト
57 %
46 % 40
HTTPS リクエスト 33.56 %
20
24 % 1月
2015
出典:シスコ セキュリティ リサーチ
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10 月
IoE とビッグデータの要件では、セキュリティに関する 議論とテクノロジー統合が新しい現象となり始めてい ます。企業とサービス プロバイダーがパブリックおよ びプライベートのクラウドに移行し、データセンターは SDN を使用により刷新され、IT as a Service(ITaaS) が使用されるようになったため、セキュリティはさらに 複雑な問題となっています。ハードウェア アプライアン ス、仮想マシン、サーバ ソフトウェアに加えて、SDN と NFV を使用する革新的なサービスにより、 クラウド イ ンフラストラクチャのデータの整合性とセキュリティが 向上します。
ネットワークの速度および遅延の分析
クラウドへの対応準備状況調査では、 次世代クラウド サービスの提供に必要なブロードバンドおよびモバ イル ネットワークの要件について地域別に分析を行っ ています。 基本レベルから高度レベルのアプリケーショ ン サービスを提供するクラウド コンピューティング ソ リューションを普及させるためには、 こうしたネットワー クへの対応力を強化し、 信頼性を高めることが重要です。 たとえば、 消費者はいつでもどこでも、 友達と連絡を取り 17
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合ったり、 音楽や動画をストリーミングしたりしたいと考 えてます。 ビジネス ユーザは、 ビジネス コミュニケーショ ンおよびビデオ会議やミッションクリティカルな顧客シス テムと業務管理システムのモバイル ソリューションに信 頼性の高い方法でアクセスすることを要求します。 この調査では、世界の各地域(アジア太平洋、中央およ び東ヨーロッパ、中南米、中東およびアフリカ、北米、西 ヨーロッパ)について、サンプルとして選ばれた、基本 レベル、中間レベル、高度レベルのビジネスおよびコン シューマ向けのクラウド アプリケーションをサポートす る能力についても分析を加えています。各地域のクラウ ドへの対応準備状況は、固定ネットワークおよびモバイ ル ネットワークのダウンロード速度とアップロード速度 図 32.
ビジネス向けおよびコンシューマ向けのクラウド サービスのサンプル カテゴリ
基本レベルのクラウド アプリケーション
表 3.
に基づいてサンプリングされたサービス、ならびにそれ に伴うネットワーク遅延に基づいて評価しています(ビ ジネスとコンシューマ向けのネットワークに分類)。 ダ ウンロードとアップロードの速度や遅延は、 クラウドに 対するネットワークの対応能力を評価する基本的な指 標です。図 32 は、ビジネス向けおよびコンシューマ向 けクラウド サービスのカテゴリと、 この調査で使用した ネットワーク要件を示したものです。表 3 ∼ 5 で、ネッ トワーク要件について説明し、対応状況調査のカテゴリ ごとにサンプル アプリケーションの定義を示します。 ア プリケーションの同時使用は、ユーザ エクスペリエンス とクラウドのアクセシビリティにさらに影響する可能性 があります。
中間レベルのクラウド アプリケーション
高度レベルのクラウド アプリケーション
ネットワーク要件:
ネットワーク要件:
ネットワーク要件:
ダウンロード速度: 最大 750 kBps
ダウンロード速度: 751 ~ 2,500 kBps
ダウンロード速度: 2,500 kBps 超
アップロード速度: 最大 250 kBps
アップロード速度: 251 ~ 1,000 kBps
アップロード速度: 1,000 kBps 超
遅延:160 ms 以上
遅延:159 ~ 100 ms
遅延:100 ミリ秒未満
基本レベルのアプリケーション例
アプリケーション
定義
ダウンロード アップロード 遅延
基本的なビデオと音 楽のストリーミング
インターネットに接続されたコンピュータ サ ーバを利用して情報にアクセスし、 さまざま なオーディオまたはビデオ形式のファイルを ダウンロードすることなく音声やビデオを再 生できるアプリケーション
高速
低速
中程度
テキスト通信(電子 メールおよびインスタ ント メッセージング)
ショート メッセージ サービス(SMS)に料金 を支払うことなくインターネット データ プラ ンを使用してメッセージを交換できるクロス プラットフォーム メッセージング アプリケー ション
低速
低速
中程度
インターネット上で音声を送信する各種 サービス
低速
低速
中程度
Voice over IP(VoIP) (インターネット テレフォニー)
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アプリケーション
定義
ダウンロード アップロード 遅延
Web ブラウジング
ワークロードをクラウド サーバに移行するテ クノロジーを利用してクラウド コンピューテ ィングでの Web エクスペリエンスや検索を 高速化するアプリケーション
低速
低速
中程度
Web 会議
実際に会っている感覚で他の参加者と交流 でき、共同 Web 閲覧やアプリケーション共 有などのサービスを提供するクラウド アプリ ケーション
中程度
中程度
中程度
クラウドベースの学習 管理システム
集中型環境で他のユーザへの柔軟性の高い アクセスやコラボレーションを実現するアプ リケーション情報を仮想ストレージ環境に保 存することにより、本来の教育施設や職場の 外で学習や仕事に取り組むことができます
高速
中程度
中程度
表 4.
中間レベルのアプリケーション例
アプリケーション
定義
ダウンロード アップロード 遅延
企業において、業務および取引関係、 それら に関連するデータおよび情報の管理を可能 にするシステム
中程度
低速
中程度
高解像度(HD)ビデオ ストリーミング
インターネットに接続されたコンピュータ サ ーバを利用して情報にアクセスし、HD ビデ オ形式のファイルをダウンロードすることな く HD ビデオを再生できるアプリケーション
高速
低速
小
拡張現実(AR)ゲーム アプリケーション
物理的な実世界環境の直接的または間接的 グラフィッ なライブ ビューが、音声、ビデオ、 ク、GPS データなど、環境の諸要素をコンピ ュータ生成した感覚入力により補完する
高速
中程度
小
患者の治療に関わるすべての医療提供者から 得た情報を体系化して記録および共有し、 患 者情報の取得および転送を容易にして治療 に役立てることを目的としたアプリケーション
中程度
高速
小
Voice over LTE(VoLTE)
VoLTE トラフィック転送を可能にする標準シ ステム
低速
低速
小
パーソナル コンテン ツ ロッカー
複合ファイルを使用するアプリケーションが、 既存のインターネット プロトコルでアクセス された場合に、オブジェクトごとにリクエスト を送信することなく、サーバへの 1 つのリク エストだけで Web ページ内のネストされた オブジェクトのダウンロードを開始し、複合フ ァイルのコンテンツを効率的にレンダリング できるようにする非同期ストレージ
高速
高速
小
エンタープライズ リ ソース プランニング (ERP)および顧客管 理システム(CRM)
Web 電子カルテ (EHR)
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表 5.
高度レベルのアプリケーション例
アプリケーション
定義
ダウンロード アップロード
遅延
遠隔医療
電子通信によって施設間でやり取りされる医 療情報を使用して患者の臨床健康状態を改 善することを目的とし、双方向ビデオ、電子メ ール、 スマートフォン、 ワイヤレス ツールな どの電気通信テクノロジーを利用するアプリ ケーション
中程度
中程度
低速
HD ビデオ会議
インターネット テクノロジーを使用して異な る場所にいる人々による会議を実現する、 双方向の HD ビデオ コミュニケーション。
高速
高速
低速
Ultra HD ビデオ スト リーミング
インターネットに接続されたコンピュータ サーバを利用して情報にアクセスし、 さまざ まなビデオ形式のファイルをダウンロードす ることなく Ultra HD ビデオを再生できるア プリケーション
高速
高速
低速
仮想現実(VR) ストリー ミング
インタラクティブなソフトウェアとハードウェ アを使用して作成されたリアルで臨場感の ある三次元環境のシミュレーションをストリ ーミング配信するものであり、身体の動きに よって体験または制御する場合や、 コンピュ ータにより生成される没入型のインタラクテ ィブな体験として提供される場合がある
高速
高速
低速
高頻度株式取引
高度なトレーディング アルゴリズムを使用し てポジションの急速な変化に対応し、市況の 変動に基づいて数百件の取引を瞬時に処理 するアプリケーション
低速
低速
低速
接続型車両安全アプ リケーション
マルチモーダルのトランスフォーメーショナ ル システムを最大限に活用する完全接続 型の輸送システムの開発および展開を必要 とするアプリケーション 安全性、安定性、相互運用性、信頼性を備 え、 リスクの最小化と機会の最大化をもたら すシステム運用を実現するために、明確に 定義されたテクノロジ ー、インターフェイ ス、 プロセスを組み合わせることが必要
低速
低速
低速
これら 3 種類のクラウド サービスへの対応力に基づいてラ ネットワーク パフォーマンスの地域別統計データを、 ンク分けしました。 クラウドへの対応準備状況を把握するため、200 ヵ国以上からのデータを対象とし、Ookla の Speedtest11 で測定された 3 億件超のレコードに加え、Ovum-Informa、Synergy Research、Point Topic、国際連合 (UN)、世界銀行、NetCraft、国際電気通信連合(ITU)、国際労働機関(ILO)その他の情報源から入手したデータを 分析しました。測定結果の地域別平均値を、下記および別添 G に示します。 次に、 クラウドへの対応準備状況の特性について説明します。
11
Speedtest.net によって測定しました。Web サーバとクライアント間で小さいサイズのバイナリ ファイルのダウンロードとアッ プロードを実行して、接続速度をキロビット毎秒単位(kbps) で評価しました。
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ネットワークアクセス • インターネット普及率:この指標では、人口統計を考 慮しながら固定接続とモバイル インターネット接続 の普及率を測定し、各地域の普及度と推定接続数を 判断します。 ネットワーク パフォーマンス • ダウンロード速度:固定ネットワークとモバイル ネッ トワークのいずれにおいても、 広帯域を必要とするア プリケーションの普及に伴い、 エンドユーザのダウン ロード速度は重要性を増しています。 また、 この特性 は、 ビジネス向けの仮想マシン、 CRM、 ERP のクラウド プラットフォームや、 コンシューマ向けのビデオ ダウ ンロードおよびコンテンツ取得用クラウド サービスの サービス品質を左右する重要な指標でもあります。 • アップロード速度:固定ネットワークとモバイル ネッ トワークのいずれにおいても、 またコンシューマだけ でなくビジネスにおいても、仮想マシン、 タブレット、 ビデオ会議の普及に伴い、 コンテンツをクラウドに送 信するアップロード速度は重要な指標となっていま す。 クラウド コンピューティングやデータセンター仮 想化の普及、膨大な数のソフトウェア アップデートや パッチを送信する必要性、仮想ファイル システムへ の大規模ファイルの分散、そしてコンシューマ クラウ ドのゲーム サービスやバックアップ ストレージの需 要により、 アップロード速度の重要性は、今後ますま す大きくなると考えられます。 • ネットワーク遅延:ネットワーク (通常はミリ秒単位で レポートされる)の大幅な遅延は、VoIP、ビデオの表 示やアップロード、モバイル ブロードバンドでのオン ライン バンキング、 あるいは医療機関でのカルテ表 示などにおける動作遅延の原因となります。現在求め られている高度なサービスを提供し、高品質なユー ザ エクスペリエンスを確保するためには、 クラウドと の間のパケット送受信の遅延を軽減することが重要 です。
世界の平均ダウンロード速度とアップロード速度 の概要(2016 年)
ダウンロードとアップロードの速度や遅延は、 クラウド に対するネットワークの対応能力を評価する重要な指 標です。 『Cisco GCI 補足資料』には、 ダウンロード速 度、 アップロード速度、遅延に関する国別の詳細を示し てあります。 クラウド サービスとアプリケーションをサ ポートするには、 ブロードバンド接続の品質が重要に なってきます。固定およびモバイル オペレータが提供 する理論上の速度は高いように見える場合があります が、実際のネットワーク測定値には外部的な要因が多く 関与してきます。速度と遅延は、固定およびモバイル ブ ロードバンド技術の都市部および地方部での展開、従
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来のデータセンターとクラウド データセンターとの距 離、および顧客宅内機器(CPE)の品質に基づき、国や 地域によって異なります。 ダウンロード速度、 アップロード速度、および遅延の変 動性が少ないことにより、 コンシューマが国内の高度な クラウド アプリケーションへの継続したアクセスが可 能になります。 この変動性を測定するために、平均ダウ ンロード速度と平均アップロード速度に加えて、 ダウン ロード速度の中央値とアップロード速度の中央値も使 用されています。 これらの測定と表示は通常すべてキロ ビット/秒(kbps) またはメガビット/秒(Mbps)単位で行 われます。
主な結果
• 世界の固定ネットワークの平均ダウンロード速度は 29.5 Mbps で、世界の固定ネットワークのダウンロー ド速度の中央値は 19.1 Mbps です。 • 世界の固定ネットワークの平均アップロード速度は 14.3 Mbps で、世界の固定ネットワークのアップロー ド速度の中央値は 6.8 Mbps です。 • 世界のモバイル ネットワークの平均ダウンロード速 度は 15.1 Mbps で、世界のモバイル ネットワークの ダウンロード速度の中央値は 8.3 Mbps です。 • 世界のモバイル ネットワークの平均アップロード速 度は 7.6 Mbps で、世界のモバイル ネットワークの アップロード速度の中央値は 3.5 Mbps です。
地域別の固定ネットワークのダウンロードおよび アップロード速度
• 固定ネットワークの平均ダウンロード速度:アジア太 平洋が 33.9 Mbps で首位に立っており、次いで北米 が 32.9 Mbps で第 2 位を占めています。 • 固定ネットワークの平均アップロード速度:中央およ び東ヨーロッパが 19.3 Mbps で首位に立っており、 次いでアジア太平洋が 18.9 Mbps で第 2 位を占 めています(図 33)。詳細については、別添 G および 『Cisco GCI 補足資料』を参照してください。 • 固定ネットワークのダウンロード速度およびアップ ロード速度の中央値:図 33 に示すとおり、速度の中 央値が平均値より小さいのは、その地域で平均値よ り低い速度の分布が大きいためです。高度なクラウ ド アプリケーションに求められるネットワーク特性 のほかに、 クラウド サービスを含むより大きなユー ザ基盤でのエンドユーザ エクスペリエンスを最適化 するには、ほとんどの速度が平均値に近くなる必要 があります。 これは大変重要な要素です。主要な国の 速度分布パターンの詳細については、 『Cisco GCI 補 足資料』を参照してください。
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Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
固定ネットワークの地域別平均速度(2016 年)
図 33.
第2 平均値 DL 32.9 Mbps
第1 中央値 DL 23.4 Mbps
第3 平均値 UL 11.6 Mbps
第3 中央値 UL 5.9 Mbps
北米
第3 平均値 DL 30.2 Mbps
第3 中央値 DL 18.0 Mbps
第4 平均値 UL 11.0 Mbps
第4 平均値 UL 4.8 Mbps
西ヨーロッパ
第5 平均値 DL 9.3 Mbps
第5 中央値 DL 6.2 Mbps
第6 平均値 UL 3.3 Mbps
第6 中央値 UL 1.0 Mbps
中南米
第6 平均値 DL 7.8 Mbps
第4 平均値 DL 29.1 Mbps
第4 中央値 DL 16.2 Mbps
第1 平均値 UL 19.3 Mbps
第1 中央値 UL 10.7 Mbps
第2 平均値 UL 19.0 Mbps
第2 中央値 UL 8.8 Mbps
中央および東ヨーロッパ
第6 中央値 DL 5.7 Mbps
第5 平均値 UL 3.9 Mbps
第5 中央値 UL 1.4 Mbps
中東およびアフリカ
第1 平均値 DL 33.9 Mbps
第2 中央値 DL 22.4 Mbps
アジア太平洋
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
モバイル ネットワークの地域別平均ダウンロード速度およびアップロード速度
• モバイル ネットワークの平均ダウンロード速度:北米が 18.5 Mbps で首位に立っており、次いで西ヨーロッパが 18.2 Mbps で第 2 位を占めています。 • モバイル ネットワークの平均アップロード速度:北米が 9.9 Mbps で首位に立っており、次いでアジア太平洋が 8.9 Mbps で第 2 位を占めています(図 34)。詳細については、別添 G および『Cisco GCI 補足資料』を参照して ください。 • モバイル ネットワークのダウンロード速度およびアップロード速度の中央値:速度の中央値は、すべての地域にお いてモバイル ネットワークの平均速度よりも低くなっています。 これは、その地域では平均値よりも低い速度の分 布が多い傾向にあるためです。 モバイル ネットワークの地域別平均速度(2016 年)
図 34.
第3 平均値 DL 17.7 Mbps
第3 中央値 DL 9.6 Mbps
第1 平均値 UL 9.9 Mbps
第2 中央値 UL 4.8 Mbps
北米
第5 平均値 DL 8.4 Mbps
第2 平均値 DL 18.2 Mbps
第2 中央値 DL 12.8 Mbps
第3 平均値 UL 7.9 Mbps
第3 中央値 UL 4.0 Mbps
西ヨーロッパ
第5 中央値 DL 4.8 Mbps
第5 平均値 UL 4.1 Mbps
第6 中央値 UL 1.5 Mbps
中南米
第6 平均値 DL 6.6 Mbps
第4 平均値 DL 11.0 Mbps
第4 中央値 DL 7.5 Mbps
第4 平均値 UL 6.8 Mbps
第4 中央値 UL 2.5 Mbps
第2 平均値 UL 8.9 Mbps
第1 中央値 UL 5.2 Mbps
中央および東ヨーロッパ
第6 中央値 DL 4.4 Mbps
中東およびアフリカ
第6 平均値 UL 3.9 Mbps
第5 中央値 UL 2.1 Mbps
第1 平均値 DL 18.5 Mbps
第1 中央値 DL 14.2 Mbps
アジア太平洋
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
ネットワーク遅延
• 世界全体の固定接続平均遅延時間は 36 ms です。 • 固定ネットワークの平均遅延は、 アジア太平洋が 26 ms で最も低く、次いで中央および東ヨーロッパの 30 ms と なっています。 • 世界全体のモバイル接続平均遅延時間は 81 ms です。 • モバイル ネットワークの平均遅延では、西ヨーロッパが 57 ms で首位に立っており、次いでアジア太平洋が 73 ms で第 2 位を占めています。 © 2016 Cisco and/or its affiliates. All rights reserved.
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Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
クラウド データセンターが世界中に構築されて分布するようになると、 コンテンツとユーザの距離が近くなり、サイ ズの小さいデータ パケットが送受信される所要時間が短縮されます。遅延に影響する可能性があるもう 1 つの要 因は輻輳であり、 スループットの低下につながります。遅延は、固定ネットワークとモバイル ネットワークの両方で 大幅に改善しました。図 35 と 36 に、2014 ∼ 2016 年にかけての遅延の改善状況を、固定ネットワークの平均遅 延(ms)および地域別のモバイル ネットワークの平均遅延(ms) として示します。 図 35.
固定ネットワークの平均遅延(ms)の改善、2014 ∼ 2016 年 87 77 62 中東および アフリカ
アジア太平洋
40
35 26
中央および 東ヨーロッパ
47
49
北米
33
69
42
38
30
64 54
中南米
2014
2015
西ヨーロッパ
46
2016
44
38
2015
2014
2016
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
図 36. アジア 太平洋
モバイル ネットワークの平均遅延(ms)の改善、2014 ∼ 2016 年 2014 2015 2016
中央および 2014 東ヨーロッパ 2015 2016 中南米
2014 2015 2016
中東および アフリカ
2014 2015 2016
北米
2014 2015 2016
西ヨーロッパ 2014 2015 2016 0
20
40
60
80
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
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100
120
140
160 180 遅延(ms)
200
220
240
260
280
300
320
340
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詳細については、添付 G および『Cisco GCI 補足資料』 を参照してください。
まとめ 最新の Cisco GCI 2015-2020 レポートから、いくつか の主要な結論を導き出すことができます。 世界のデータセンター トラフィックは確実にゼタバイ ト時代に突入しており、2020 年までに 2015 年の 3 倍を超える年間 15.3 ZB に達する見込みです。データ センター トラフィックは、増加しているだけではなく、 SDN、NFV などのアーキテクチャのイノベーションによ り合理化され、新たなレベルのデータセンターの最適 化が提供されています。 データセンター トラフィックの 中で急速な成長を遂げているセグメントがクラウド トラフィックで、予測期間中に 4 倍近くに増加し、2020 年までにデータセンター トラフィック全体の 92 % を 占めることになる見通しです。 クラウド コンピューティ ングが急速に拡大する中、 トラフィックの増加を促進し ている重要な要素として、柔軟かつ迅速な展開と効率 的なサービスの提供を可能にするデータセンター仮想 化の増加が挙げられます。 2020 年までに、 ワークロード 全体の 92 % がクラウドで処理されるようになります。 クラウド セグメントでは、当初はプライベート クラウド で処理されるワークロードのほうがパブリック クラウド よりはるかに多くなると見られていますが、予測期間に おける成長のペースはプライベート クラウドよりパブ リック クラウドのほうが速いと考えられます。2016 年 までにはワークロードの主な割合はパブリック クラウ ドに推移すると思われます。 これは、仮想化の度合いで も示されます。パブリック クラウドのワークロード密度 は、2016 年までにプライベート クラウドを上回ると見 られます。企業では、専用 IT リソースに伴うコストへの 懸念が強まっており、俊敏性も求められているために、 特にセキュリティが強化されていることが要因となって パブリック クラウドの導入が進んでいると考えられま す。多くの企業は、 ワークロードの一部を内部管理のプ ライベート クラウドから外部管理のパブリック クラウ ドへ移行する際に、ハイブリッド アプローチを採用する と予想されます。 クラウド環境へ移行するメリットを認 識する企業が増えるに従って、3 つのクラウド サービス 提供モデル(IaaS、PaaS、SaaS)はいずれも成長を続け ていくと考えられます。 さらに、データセンターとクラウド コンピューティング の拡大に影響を与える動向には、デジタル化、複数デバ イス/複数接続の広範な普及や IoE 現象、およびモビリ ティの成長が含まれます。IoE アプリケーションによって 驚異的な量のデータが生成されており、2020 年まで
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に 600 ZB といった多大な量になる見込みです。ただ し、そのコンテンツのうち保存されるデータは、比較的 少ない量(約 6.2 ZB)になると考えられます。 クライアン ト デバイスに存在していたさらに多くのデータは、時と ともにデータセンターに移行します。データセンターの 合計ストレージ容量は、2015 年の 352 EB から 2020 年には 1.8 ZB に増加し、2015 ∼ 2020 年にかけて 5 倍近く増加すると予測されます。 クラウドは、設置され ているストレージ容量の約 90 % を占めるようになる と見られます。ユーザからの要求の高まりに対応するた めに、 コンシューマ クラウド ストレージなどのクラウド ベースのサービスを導入する勢いが強まっています。 2020 年までに、パーソナル クラウド ストレージを利用 するユーザの割合がインターネット利用者人口の 60 % 近く (59 %)になると予測されています。M2M 接続とア プリケーションの増加によっても、新しいデータ分析が 求められています。 今回の調査では、 クラウドへの対応状況の重要性につ いても考察しています。ビジネスおよびコンシューマの モバイル ネットワークと固定ネットワークにおけるダウ ンロード速度、 アップロード速度、遅延時間の平均値を 地域別に分析した結果、 どの地域も基本的および中間 的なクラウド サービスに対応可能となるよう大幅に進 歩しています。現在の焦点は、組織とエンド ユーザが求 め、依存する高度なクラウド アプリケーションをサポー トできるように、ネットワークの機能を継続的に向上さ せる方向に移行しています。
関連情報 詳細については、http://www.cisco.com/c/ja_jp/ solutions/service-provider/visual-networking-indexvni/index.html#cloud-forecast を参照してください。
別添 A:データセンター トラフィックの予測方法 図 37 は、データセンター トラフィックとクラウド トラ フィックの予測方法の概要を示しています。 まず、 ワーク ロードのタイプと実装別にインストールベースでワーク ロード数を求めてから、 ワークロードあたりの月間バイ ト数を適用して、現在および今後数年のトラフィック量 を予測します。 図 37.
データセンター トラフィックの予測方法
インストール ベースのワークロード
月間のワークロード あたりのトラフィック量 (バイト)
アナリスト データ
測定データ
データセンター内 およびデータセンター = トラフィック 間のトラフィックの 比率
測定データ
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Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
アナリスト データ
複数の調査会社と国際機関(Gartner、IDC、Juniper Research、Ovum、Synergy、ITU、国際連合など)のデー タを Global Cloud Index の分析に使用しました。たと えば、 ワークロード タイプ別と実装別(クラウドとクラウ ド以外)のワークロード稼働数の計算から、 アナリスト データを考察しました。 これらのアナリスト データは、 特定のワークロード タイプおよび実装のサーバ出荷 台数で構成されています。 シスコはこれらに基づいて、 サーバ稼働数と各サーバのワークロード数を推定し、 ワークロードの稼働数を予測しました。
測定データ
さまざまな企業およびインターネット センターからネッ トワーク データを収集しました。分析したデータセン ターのアーキテクチャは多様で、3 層アーキテクチャも あれば、2 層アーキテクチャもあります。3 層のデータセ ンターでは、 アクセス ルータからアグリゲーション ルー タへのリンク、 アグリゲーション スイッチまたはルータ からサイトまたは地域のバックボーン ルータへのリン ク、WAN ゲートウェイ、 そしてインターネット ゲートウェ イの 4 ヵ所からデータを収集しました。2 層データセン ターのデータはアクセス ルータからアグリゲーション ルータへのリンク、WAN ゲートウェイ、 インターネット ゲートウェイの 3 ヵ所から収集しました。 企業のデータセンターは、 アグリゲーションのノースバ ウンドで測定されたトラフィックにはローカル ビジネ ス キャンパス間の非データセンター トラフィックも含 みます。そのため、各層で伝送されるトラフィック量の 比率を得るには、インターフェイス間のトラフィックでは なく、ホスト間で発生しているトラフィックを測定する方 法を使用し、非データセンターの通信を除外する必要 があります。通信している両端のホストをロケーション とタイプで識別し、分類しました。データセンターのトラ フィックと見なすためには、通信しているペアの少なく とも一方がデータセンターのアグリゲーション スイッチ またはルータと、 アクセス スイッチまたはルータとの間 のリンク内にあると識別されることが必要です。 また 本書でも述べたとおり、前回 Cisco Global Cloud Index が発表されてから、 クラウド データセンター トラ フィックの予測方法が変更されました。以前の方法で は、 ストレージのトラフィックすべてをクラウド以外のト ラフィックに分類していました。今回変更された方法で は、 クラウドのワークロードに関連するストレージのト ラフィックを、 クラウド トラフィックに分類しています。た とえば、 クラウド アプリケーション開発に関連するスト レージのトラフィックは、変更後の方法ではクラウド ト ラフィックとなりますが、変更前の方法ではクラウド ト ラフィックからは除外されていました。
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別添 B:Global Cloud Index と Visual Networking Index Cisco Global Cloud Index(GCI) と Cisco Visual Networking Index(VNI)は、一部重複する点があるも のの、異なる予測です。Cisco VNI は、インターネット および IP WAN ネットワーク間を行き来するトラフィッ クの量を予測するものであるのに対し、Cisco GCI は、 データセンター内、データセンター間、データセンター とユーザ間を行き来するトラフィックの量を予測するも のです。Cisco VNI では、Cisco GCI には含まれていな い非データセンター トラフィック (さまざまなタイプの ピアツーピア トラフィック) と併せて、データセンターと ユーザ間のトラフィックを予測します。 Cisco GCI には、データセンターとユーザ間のトラ と併せ フィック (この点については Cisco VNI と重複) て、データセンター間のトラフィックとデータセンター内 のトラフィックが含まれます。Cisco VNI では、 インター ネットと IP WAN ネットワークを通過するトラフィック量 を予測します(図 38)。 図 38.
Cisco VNI と Global Cloud Index
Visual Networking Index (VNI) A
B
2.3 ZBs
11.7 ZBs
C
非データセンター
1.4 ZBs
GCI には含まれて いない データセンターからユ ーザへのトラフィック これは、VNI と GCI と同様です。
2.2 ZBs
A トラフィック
B
Global Cloud Index (GCI) D
B
A
0.1 ZBs
C
B B
D
15.3 ZBs
データセンターからユーザ へのトラフィック(14 %) これは、VNI と GCI と 同様です。 データセンター間の
C トラフィック(9 %)
データセンター間でやり 取りされるトラフィック データセンター内
D (77 %) 出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ~ 2020 年)
データセンター内に留 まるトラフィック
別添 C:地域別クラウド トラフィックの傾向 Cisco Global Cloud Index に、 クラウド トラフィックの 増加に関する地域別の予測データが加わりました (表 6)。 • 2015 年、 クラウド トラフィックが最大であったのは 北米 (1,891 EB/年) で、 次いで、 アジア太平洋 (908 EB/ 年)、西ヨーロッパ(718 EB/年)が続きました。 • 2020 年までには、北米で最大のクラウド トラフィッ クが生成され(3.6 ZB/年)、次いでアジア太平洋が 僅差の第 2 位(2.3 ZB/年)、西ヨーロッパが第 3 位 (1.5 ZB/年)になることが予測されます。 • 2015 ∼ 2020 年の間にクラウド トラフィックの増 加率が最も高くなるのは中東およびアフリカ(CAGR 41 %) で、次いで中央および東ヨーロッパ(CAGR 38 %)が第 2 位、 アジア太平洋(CAGR 33 %)が 第 3 位になると予測されています。
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表 6.
地域別のクラウド トラフィックの増加(単位:EB)
CAGR (2015 ∼ 2020 年)
地域
2015
2016
2017
2018
2019
2020
アジア太平洋
908
1,367
1,871
2,387
2,923
3,469
31 %
中央および東ヨーロッパ
124
168
221
291
379
485
31 %
中南米
140
190
242
304
371
448
26 %
中東およびアフリカ
69
105
145
191
242
304
34 %
北米
1,891
2,771
3,838
4,860
5,779
6,844
29 %
西ヨーロッパ
718
1,035
1,395
1,768
2,157
2,528
29 %
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ∼ 2020 年)
別添 D:地域別ワークロードの分布 表 7、8、9 は、 タイプ別と地域別のデータセンター ワークロードの概要です。 表 7.
地域別のデータセンター ワークロード合計の分散状況(単位:100万)
データセンターの合計ワークロード CAGR (2015 ∼ 2020 年)
2015
2016
2017
2018
2019
2020
アジア太平洋
48.6
68.1
91.3
115.7
39.7
163.4
27.4 %
中央および東ヨーロッパ
5.2
6.6
8.3
10.0
11.6
12.9
20.1 %
中南米
6.5
8.4
10.6
13.0
15.1
17.1
21.3 %
中東およびアフリカ
4.7
6.1
7.8
9.5
11.0
12.4.
21.6 %
北米
78.5
99.1
124.1
149.3
170.8
189.1
19.2 %
西ヨーロッパ
37.4
46.6
57.5
67.9
76.6
83.9
17.5 %
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ∼ 2020 年)
表 8.
地域別のクラウド ワークロードの分散状況(単位:100万)
クラウド データ センターのワークロード CAGR (2015 ∼ 2020 年)
2015
2016
2017
2018
2019
2020
アジア太平洋
38.3
57.0
79.6
103.6
127.6
151.5
31.6 %
中央および東ヨーロッパ
4.0
5.5
7.3
9.1
10.7
12.2
25.1 %
中南米
5.2
7.2
9.6
12.0
14.1
16.2
25.5 %
中東およびアフリカ
3.6
5.1
6.9
8.7
10.3
11.8
26.6 %
北米
57.2
77.9
103.6
129.5
152.3
172.1
24.6 %
西ヨーロッパ
27.7
37.1
48.4
59.1
68.4
76.3
22.5 %
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ∼ 2020 年)
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Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
表 9.
地域別の従来型データセンター ワークロードの分散状況(単位:100 万)
従来型データセンターのワークロード CAGR (2015 ∼ 2020 年)
2015
2016
2017
2018
2019
2020
アジア太平洋
10.3
11.1
117
12.1
12.1
11.9
2.9 %
中央および東ヨーロッパ
1.2
1.1
1.0
0.9
0.9
0.8
-8.5 %
中南米
1.3
1.2
1.1
1.0
1.0
0.9
-7.4 %
中東およびアフリカ
1.0
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
-10.3 %
北米
21.3
21.2
20.5
19.8
18.6
17.0
-4.4 %
西ヨーロッパ
9.7
9.5
9.1
8.7
8.3
7.6
-4.8 %
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ∼ 2020 年)
別添 E:クラウドの定義 クラウドの定義
Cisco GCI は、国立標準技術研究所(NIST)が定める業 界の標準的なクラウド コンピューティングの定義に準 じています。NIST の定義では、 クラウド コンピューティ ングに不可欠な特徴として次の 5 項目を挙げています (図 39)。 • オンデマンドのセルフサービス • 広範囲のネットワーク アクセス • リソースのプーリング
のクラウド コンピューティングにより、 さまざまなソフ トウェア、 プラットフォーム、インフラストラクチャ サー ビスが可能になります。 クラウド データセンターの運営 は、サービス プロバイダーだけでなく、民間企業が行う 場合もあります。 ただし、 この予測でのプライベート クラウドとパブリッ ク クラウドの分類方法は、NIST の定義とは若干異なっ ています。 クラウド サービスは、公衆通信網(WAN) と 組織のプライベート ネットワーク (LAN) との境界線 (物理的または仮想的境界線)によって、パブリックと プライベートに分かれます(図 40)。 図 40.
• 迅速な柔軟性または拡張性
クラウドの導入モデル
• 計測されたサービス 図 39.
エンタープライズ ネットワーク
クラウドの必須特性 オンデマンド/ セルフ サービス
厳選された サービス
クラウド 優れた 融通性
広範な ネットワーク アクセス
リソースの プーリング
クラウドの導入モデル
クラウドの導入モデルには、 プライベート クラウド、パ ブリック クラウド、ハイブリッド クラウド(またはこれら を組み合わせたもの)があります。 こうした異なる形態
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プライベート クラウド
サービス プロバイダーのネットワーク
ハイブリッド クラウド
例:シスコが所有および 管理する自社従業員、顧客、 パートナー向けのシスコの クラウド。
パブリック クラウド
例:AT&T、Verizon、 Amazon AWS、Microsoft Azure、Salesforce、Google。
クラウドの設備が境界線よりサービス プロバイダー側 にある場合、 そのサービスはパブリック クラウド サービ スと見なされます。 仮想プライベート クラウド (VPC) は、 このカテゴリに分類されます。 また、 マルチテナント コン シューマ クラウド サービスもこのカテゴリに属します。 クラウドの設備が境界線より組織側にある場合、その サービスはプライベート クラウド サービスと見なされ ます。一般に、組織の IT 部門が所有および管理する専 用クラウドは、 プライベート クラウドと見なされます。
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Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
ハイブリッド クラウドは、名前からわかるとおり、パブ リック クラウドとプライベート クラウドの組み合わせで す。ハイブリッド クラウド環境では、 クラウド コンピュー ティング リソースを社内の部門と外部のプロバイダー が分担して管理します。 ここでは、 プライベート クラウド とパブリック クラウドを別々のカテゴリとして定義して いますが、ハイブリッド クラウドは 1 つのカテゴリとし て区別していません。ハイブリッド クラウドは、 プライ ベート クラウドとパブリック クラウドをさまざまな形で 組み合わせた集合に過ぎないためです。
クラウド サービス提供モデル(IaaS、PaaS、SaaS) Cisco GCI によるクラウド ワークロードの予測は、 SaaS、PaaS、IaaS の 3 つの主要なクラウド サービス モデルに分かれます(図 41)。サービス モデルの定義 は NIST の定義と一致しています。 図 41.
クラウド サービス提供モデル:IaaS、PaaS、SaaS
Software as a Service (SaaS)
Platform as a Service (PaaS)
Infrastructure as a Service (IaaS)
アプリケーション
アプリケーション
アプリケーション
データ
データ
データ
ミドルウェア サービス
ミドルウェア サービス
ミドルウェア サービス
オペレーティング システム
オペレーティング システム
オペレーティング システム
仮想化
仮想化
仮想化
サーバ
サーバ
サーバ
ストレージ
ストレージ
ストレージ
ネットワーキング
ネットワーキング
ネットワーキング
顧客が管理するクラウド
プロバイダーが管理するクラウド
SaaS
コンシューマは、 クラウド インフラストラクチャ上で実 行されるプロバイダーのアプリケーションを使用でき ます。 アプリケーションには、Web ブラウザ(Web ベー スの電子メールなど)などのシンクライアント インター フェイスまたはプログラム インターフェイスを使用し て、 さまざまなクライアント デバイスからアクセスでき ます。 コンシューマは、ネットワーク、サーバ、オペレー ティング システム、 ストレージなどのクラウド インフラ ストラクチャはもちろん、個別のアプリケーション機能 も管理または制御することはできません。ただし、限定 されたユーザ固有のアプリケーション構成設定は管理 できる場合があります。
PaaS
コンシューマは、 プロバイダーがサポートするプログラ ミング言語、 ライブラリ、サービス、およびツールを使用 して独自に作成または取得したアプリケーションをクラ
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ウド インフラストラクチャに配置できます。 コンシュー マは、ネットワーク、サーバ、オペレーティング システ ム、 ストレージなどのクラウド インフラストラクチャを 管理または制御することはできませんが、配置したアプ リケーションと、場合によってはアプリケーションをホス トする環境の構成設定を制御できます。
IaaS
コンシューマは、処理、 ストレージ、ネットワークなどの 基本的なコンピューティング リソースをプロビジョニン グし、オペレーティング システムやアプリケーションを 含む任意のソフトウェアを配置して実行できます。 コン シューマは、 クラウド インフラストラクチャを管理また は制御することはできませんが、オペレーティング シス テム、 ストレージ、および配置したアプリケーションは制 御可能であり、一部のネットワーキング コンポーネント (ホスト ファイアウォールなど)についても限定的に制 御が可能となる場合があります。
別添 F:ワークロードのアプリケーション定義 傾向 4 でワークロードを分類するために使用したアプ リケーション定義の一覧は以下の通りです。 企業向けワークロード アプリケーション • コンピューティング:主にクラウド IaaS に該当 • コラボレーション:電子メール、会議、企業ソーシャル ネットワーキング、 ファイル共有、 コンテンツ マネジ メント • データベース/分析/IoE:オンプレミス データベース アプリケーション、ビッグデータ アプリケーション、ビ ジネス インテリジェンス、データ志向 PaaS サービス • その他の ERP および企業向けアプリケーション: CRM、HCM、財務アプリケーション、 ストレージ、サー ビス/システム/運用管理など コンシューマ ワークロード アプリケーション • 検索:サーチ • ソーシャル ネットワーキング:Facebook、Twitter、 Tencent、LinkedIn、Google+、Snapchat など • ビデオ/ストリーミング メディア:ビデオ共有、ビデオ ストリーミング サービス • その他のコンシューマ アプリケーション:電子メー ル、 メッセージング、 ストレージ、 ファイル共有、音楽 サービス、e-コマース、ニュースなど
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Cisco Global Cloud Index:予測と方法論、2015 ∼ 2020 年 ホワイト ペーパー Cisco Public
別添 G:クラウドへの対応状況の地域別まとめ 表 10 に、 ダウンロード速度、 アップロード速度、遅延を考慮した地域別のビジネスおよびコンシューマのクラウド 対応準備状況の概要を示します。詳細については、 『Cisco GCI 補足資料』を参照してください。 表 10.
クラウドへの地域別対応状況
ネットワーク
地域
固定
アジア太平洋
28.1
15.9
35
中央および東ヨーロッパ
28.3
20.9
33
中南米
7.6
2.4
64
中東およびアフリカ
7.0
2.2
77
北米
25.4
8.8
42
西ヨーロッパ
22.8
7.4
44
アジア太平洋
12.1
6.1
83
中央および東ヨーロッパ
10.9
7.7
75
中南米
5.7
2.0
116
中東およびアフリカ
4.5
2.3
156
北米
16.3
6.5
63
西ヨーロッパ
13.7
4.8
70
モバイル
平均ダウンロード速度 平均アップロード (Mbps) 速度(Mbps)
平均遅延(ms)
出典:Cisco Global Cloud Index(2015 ∼ 2020 年)
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