BAS BAS 363 BAS - jbia.or.jp

2 ・ jis z 2201 に規定されていました6 号試験片が2004 年(平成16 年)末に廃止となりましたので,“6 号試験片”...

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日本ベアリング工業会規格(BAS)改正,及び廃止の概要 次に示す日本ベアリング工業会規格(BAS)が,2008 年 1 月 17 日に改正・発行,及び廃止されましたので, その概要を紹介します。 改正 BAS BAS 番号











BAS 361

転がり軸受-みがき帯鋼及び冷間圧延鋼板

BAS 362

転がり軸受-熱間圧延鋼板

BAS 363

転がり軸受-保持器用高力黄銅鋳物 廃止 BAS

BAS 番号 BAS 330











転がり軸受用ステンレス鋼鋼材

BAS 361 の改正の概要 1.

経緯 1964 年(昭和 39 年)に BAS 361“コロガリ軸受用ミガキ帯鋼および冷間圧延鋼板仕様書”を制定しました。1969

年(昭和 44 年)に規格名称の変更,種類の記号の改正,試験方法の追加,検査内容の追加などを行い,第 2 版を 発行しました。1987 年(昭和 62 年)に JIS G 4805(高炭素クロム軸受鋼鋼材)の見直し作業が進展していたこ と及び第 2 版の改正時に引用した日本工業規格がその後改正されたこと並びに規定内容を実情に整合させること を考慮して第 3 版を発行しました。第 3 版発行後,引用した日本工業規格が改正されていることを考慮し,併せ て規格様式の見直しを行い第 4 版として改正・発行しました。

2.

規格の適用範囲 この規格は,転がり軸受に使用するみがき帯鋼 1)及び冷間圧延鋼板(以下,鋼帯板という。)について規定して

います。 注 1) みがき帯鋼からせん断した切板を含む。

3.

旧規格からの主な変更点

・ BAS 001:2002 及び JIS Z 8301:2005 に準拠して見直し,規格様式を変更しました。 ・ 引用日本工業規格を見直し,新規制定規格を追記し,廃止規格を削除しました。 ・ 本規格は,キルド鋼,セミキルド鋼及びリムド鋼を想定して規格が作られていましたが,本材料はキルド鋼し か製造していないこと,また,将来もキルド鋼以外で製造することはないことからキルド鋼に限定することに しました。従って,鋼帯板はキルド鋼から製造するものとし,“鋼帯板は,キルド鋼を熱間圧延した後に酸洗 して冷間圧延を行い製造するものとする。また,特に指定のない限り,焼きなましを施すものとする。”と改 正しました。

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・ JIS Z 2201 に規定されていました 6 号試験片が 2004 年(平成 16 年)末に廃止となりましたので,“6 号試験片” を削除しましたが,過去の試験データとの整合性及び幅 15mm 以上 25mm 以下の試験片の引張試験を考慮し て, “試験片は,JIS Z 2201 に規定する 5 号試験片とする。ただし,受渡当事者間の協定により試験片を変更 できる。”と改正し自由度をもたせました。 BAS 362 の改正の概要 1.

経緯 1969 年(昭和 44 年)に BAS 362“転がり軸受用熱間圧延鋼板”を制定しました。1987 年(昭和 62 年)に第 1

版の制定時に引用した日本工業規格の中で,その後改正された規格の改正内容を反映し,かつ,規格内容を実情 に整合させて第 2 版を発行しました。今回,第 2 版の改正時に引用した日本工業規格の中で,第 2 版の発行後改 正された規格の内容を反映し,かつ,規格様式の見直しを行い第 3 版として改正・発行しました。 2.

規格の適用範囲 この規格は,転がり軸受に使用する熱間圧延鋼板(以下,鋼板という。)について規定しています。

3.

旧規格からの主な変更点

・ BAS 001:2002 及び JIS Z 8301:2005 に準拠して見直し,規格様式を変更しました。 ・ 引用日本工業規格は,新規制定規格を追記し,廃止規格を削除しました。 ・ 鋼板はキルド鋼から製造するものとし,“鋼板は,キルド鋼を熱間圧延して製造するものとする。また,特に 指定のない限り,酸洗いを施すものとする。”と改正しました。 ・ JIS Z 2201 に規定されていました 6 号試験片が 2004 年(平成 16 年)末に廃止となりましたので, “6 号試 験片”を削除しましたが,過去の試験データとの整合性及び幅 15mm 以上 25mm 以下の試験片の引張試験を 考慮して,“試験片は,JIS Z 2201 に規定する 5 号試験片とする。ただし,受渡当事者間の協定により試験片 を変更できる。”と改正しました。 BAS 363 の改正の概要 1.

経緯 1975 年代,高力黄銅鋳物が JIS H 5102(高力黄銅鋳物)として制定されていましたが,転がり軸受の保持器用

として使用されているものは必ずしもこの化学成分のものばかりではなく,かつ,当時の日本国有鉄道の車両用 軸受に用いる黄銅鋳物として JRS 55201-1D-15AR8A(軸受保持器用黄銅鋳物)に記号 HBsCR の黄銅鋳物が規定 されており,軸受保持器用材料として多く使用されていたことから,BAS 363“転がり軸受保持器用高力黄銅鋳 物”を 1975 年(昭和 50 年)に第 1 版として制定・発行しました。その後,第 1 版制定当時の引用規格が改正さ れたこと及び日本国有鉄道が 1978 年 4 月に民営企業として出発して,東日本旅客鉄道株式会社が 1987 年 4 月に JRS を廃止し,続いて他の JR 各社も JRS を廃止したことから見直しを行い,1988 年(昭和 63 年)に第 2 版を 改正・発行しました。第 2 版発行以降,第 2 版の改正時に引用した日本工業規格の中で,改正された規格の内容 を反映し,かつ,規格様式の見直しを行い第 3 版として改正・発行しました。

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2.

規格の適用範囲 この規格は,転がり軸受に使用する保持器用高力黄銅鋳物(以下,鋳物という。 )について規定しています。

3.

旧規格からの主な変更点

・ BAS 001:2002 及び JIS Z 8301:2005 に準拠して見直し,規格様式を変更しました。 ・ 引用日本工業規格は,新規制定規格を追記し,廃止規格を削除しました。 ・ “1 種(HBsC1)”及び“1 種 C(HBsC1C)”の化学成分をそれぞれ JIS H 5120 及び JIS H 5121 と同一表現に しました。 BAS 330 の廃止の概要 1.

経緯 1968 年(昭和 43 年)に BAS 330 第 1 版を制定しました。1988 年(昭和 63 年)に,制定時に引用しました日 本工業規格がその後改正されていること及び規格内容を実情に整合させることを考慮して改正し,BAS 330 第 2 版を発行しました。第 2 版発行以来 18 年が経過しており,前回の改正時に引用した日本工業規格がその後改 正されていることもあり,見直しの検討をおこないました。

2.

規格の適用範囲 この規格は,転がり軸受の軌道輪及び転動体に用いるマルテンサイト系ステンレス鋼について規定しています。

3.

規格の廃止 BAS 330 の見直しに際しまして,日本ベアリング工業会会員各社に対し,本規格の使用実態を調査しました。 その結果,“調査対象の全社(36 社)が,本規格は不要と判断している。また,SUS440C は,JIS G 4303 に規 定されておりこの規格がなくても支障はない。 ”との理由により,BAS 330“転がり軸受用ステンレス鋼”を廃 止することに合意し,2008 年 1 月の理事会の承認を得て廃止しました。 以上

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